Claude Code 開発者が教える CLAUDE.md と実践 Tips
元スレッド(個人セットアップ編): Boris Cherny @bcherny(53K いいね、780万ビュー) 元スレッド(チーム Tips 編): Boris Cherny @bcherny(49K いいね、850万ビュー) 紹介ポスト: すぐる @sugurukun_ai 設定再現リポジトリ: 0xquinto/bcherny-claude
はじめに
Claude Code の開発者である Boris Cherny 氏が、自身のセットアップと Claude Code チーム全体の使い方を X で公開し、合計 10 万いいね以上を獲得して大きな話題になった。
この記事では、2つのスレッドの内容を統合して「CLAUDE.md の育て方」と「Claude Code を最大限活用する 10 の Tips」をまとめる。
CLAUDE.md とは
CLAUDE.md は、Claude Code がセッション開始時に自動的に読み込むプロジェクトの指示書。新入社員に渡すオンボーディングドキュメントのようなもので、以下を記述する:
- プロジェクトの技術スタック・アーキテクチャ
- コーディング規約・命名ルール
- よく使うコマンド
- 過去に Claude が犯した間違いと対策
- やってはいけないこと
配置場所
| ファイル | スコープ |
|---|---|
~/.claude/CLAUDE.md | 全プロジェクト共通(個人設定) |
プロジェクトルート/CLAUDE.md | そのプロジェクト限定(チーム共有・Git 管理) |
Boris Cherny のセットアップ(スレッド1)
1. 並列セッション
Boris はターミナルで 5 つの Claude を同時に並列実行している。さらに claude.ai/code 上でも 5〜10 個を並行稼働させ、システム通知で完了を監視する。
2. モデル選択
全てに Opus 4.5 + thinking を使用。速度は遅いが、ステアリング(軌道修正)が少なく、ツール使用の精度が高いため、結果的に小さいモデルより速い。
3. CLAUDE.md の運用
チームで 1 つの CLAUDE.md を Git にチェックインし、週に複数回チーム全員で更新する。Claude が間違いを犯すたびに「次は同じ間違いをしないように」とルールを追記。
CLAUDE.md は生きたドキュメント。 完成形を目指すのではなく、継続的に育てるもの。
4. Plan Mode の活用
ほとんどのセッションを Plan Mode(Shift+Tab を2回) で開始。Claude の計画が納得できるまでやり取りを繰り返し、その後 Auto-Accept モードに切り替えて一気に実装させる。
5. Slash Commands
毎日何度も実行する「内側ループ」のワークフローは、.claude/commands/ にスラッシュコマンドとして保存し、Git にチェックイン:
| コマンド | 用途 |
|---|---|
/commit-push-pr | コミット → プッシュ → PR 作成を一発で |
/quick-commit | 簡易コミット |
/test-and-fix | テスト実行 → 失敗を自動修正 |
/review-changes | 変更のレビュー |
/worktree | ワークツリー作成 |
/grill | コードを厳しく検証 |
/techdebt | 技術的負債の解消 |
6. パーミッション設定
--dangerously-skip-permissions は使わず、.claude/settings.json の /permissions で安全なコマンドだけを事前許可する。不要なプロンプトを避けつつ安全性を維持するバランス。
7. 検証の仕組み
Claude に自分の作業を検証する手段を与える。例えば Chrome 拡張でブラウザを開き、UI をテストし、動くまで反復させる。これにより最終成果物の品質が 2〜3 倍向上する。
Claude Code チームの 10 Tips(スレッド2)
Tip 1: 並列化が最大の生産性向上策
3〜5 個の Git ワークツリーを同時に立ち上げ、それぞれで独立した Claude セッションを実行する。チームが口を揃えて「最大の生産性アンロック」と呼ぶ手法。
| |
ポイントはコンテキスト汚染の防止。タスクごとに分離された作業環境を持つことで、1つの Claude が別のタスクの情報に引きずられない。
Tip 2: 行き詰まったら再計画
Plan Mode は初期設定だけでなく、実行中に問題が発生したときのリカバリーにこそ使う。
さらに高度なパターンとして、1つ目の Claude に計画を書かせ、2つ目の Claude にシニアエンジニアとしてレビューさせる手法もある。
Tip 3: Claude に自分のルールを書かせる
修正のたびにこう指示する:
「CLAUDE.md を更新して、同じ間違いを繰り返さないようにして」
Claude は自分自身のルールを書くのが驚くほど上手い。これにより CLAUDE.md は反復的に改善され、エラー率は測定可能に減少していく。
Tip 4: 繰り返しタスクはスキル化
毎日複数回実行するタスクはスキル(スラッシュコマンド)にする。Git にチェックインすることで、新しいチームメンバーの即戦力資産にもなる。
活用例:
- /techdebt: セッション終了時に重複コード排除
- コンテキストダンプ: Slack、GDrive、Asana、GitHub を同期して取り込み
- 分析エージェント: dbt モデル作成、コードレビュー、開発テスト
Tip 5: Claude に自分のバグを直させる
問題を提示して、解決策の決定は Claude に委ねる:
- Slack MCP を有効化 → バグスレッドの URL を貼って「これ直して」
- CI が落ちたら「go fix the failing CI tests」と指示するだけ
- Docker ログで分散システムのトラブルシューティングも可能
マイクロマネジメントは不要。
Tip 6: プロンプトを「挑発」として使う
指図するのではなく、ピア(仲間)として挑発する 3 パターン:
- 「これらの変更を徹底的に評価し、テストに合格するまで PR を作成しないで」
- 「これが機能することを証明して」(main vs feature branch を比較させる)
- 平凡な修正の後に「今知っていること全てを踏まえて、これを破棄して優雅なソリューションを実装して」
Tip 7: ターミナル環境にこだわる
チームは Ghostty を推奨(同期レンダリング、24ビットカラー、Unicode 対応)。
実用的な工夫:
/statuslineでコンテキスト使用率と Git ブランチを常時表示- ワークツリーごとにカラーコード化されたタブ
- 音声ディクテーション(macOS: fn キー2回)— タイピングの 3 倍速でプロンプトがより詳細になる
Tip 8: サブエージェントでコンテキストを清潔に保つ
3 つの活用パターン:
- 計算集約的タスクに「サブエージェントを使って」と追記
- 個別タスクをオフロードしてメインエージェントのコンテキストウィンドウを汚さない
- 権限要求を Opus 4.5 経由でルーティング(攻撃スキャン&自動承認)
Tip 9: Claude で SQL を置き換える
チームはコードベースに BigQuery スキルをチェックインし、全員が Claude Code 内で直接分析クエリを実行。
Boris の発言:
「6ヶ月以上 SQL を書いていない」
CLI / MCP / API を備えたあらゆる DB に適用可能。
Tip 10: Claude を使って学ぶ
未知のコードベースを習得する方法:
/configで「説明的」「学習」出力スタイルを有効化- 不慣れなコードの説明を HTML プレゼンテーションとして生成させる
- プロトコルやコードベースの図解を ASCII 形式で要求
- 間隔反復学習スキルを構築(自分が理解を説明 → Claude がギャップを指摘 → 保存)
メタパターン — 共通する 5 つの原理
| 原理 | 説明 |
|---|---|
| 並列化優先 | 1つの最適化より複数セッションの並行実行 |
| Plan Mode の規律 | 初期計画だけでなく、行き詰まった時のリカバリーに使う |
| 自己改善ループ | Claude に自分のルールを書かせ、CLAUDE.md を継続的に育てる |
| スキルの複合効果 | 繰り返し作業を体系化し、チームの資産にする |
| 挑発的プロンプト | 指図ではなくピアとして扱い、正当化を求める |
すぐに始められるアクション
- CLAUDE.md を作る — プロジェクトルートに置き、技術スタックと基本ルールを書く
- 間違いを記録する — Claude が誤った操作をしたら「CLAUDE.md を更新して」と伝える
- Slash Command を1つ作る — 毎日やる作業を
.claude/commands/にマークダウンで保存 - Plan Mode を習慣にする — 複雑なタスクは Shift+Tab 2回で計画から始める
- ワークツリーを試す — 独立したタスクを並列実行して生産性を体感する