cmux — AIコーディングエージェント時代のターミナル
cmux とは?
cmux は、AIコーディングエージェントとの並行作業に最適化された macOS ネイティブのターミナルアプリ です。Ghostty の描画エンジン (libghostty) をベースに、Swift + AppKit でゼロから構築されています。
Electron ではなくネイティブ実装なので、起動は高速、メモリ消費も少なく、GPU アクセラレーションによる滑らかな描画が特徴です。
“The terminal built for AI coding agents”
公式サイト: https://cmux.dev
GitHub: https://github.com/manaflow-ai/cmux (AGPL-3.0)
なぜ cmux が必要なのか?
Claude Code、Codex、Gemini CLI、Aider、Goose など、ターミナルベースの AI エージェントを日常的に使う開発者が増えています。しかし従来のターミナルや tmux では、複数のエージェントセッションを並行管理するのが大変でした。
- 「どのタブでどのエージェントが動いてるか分からない」
- 「エージェントが質問してるのに気づかなかった」
- 「開発サーバーの確認のためにブラウザとターミナルを行き来するのが面倒」
cmux はこれらの課題を解決するために設計されています。
主な機能
1. 縦タブ(バーティカルタブ)でワークスペースを一覧管理
左サイドバーに縦並びのタブが表示され、各ワークスペースの状態が一目で分かります:
- Git ブランチ名
- リンク済み PR のステータスと番号
- 作業ディレクトリ
- リッスン中のポート番号
- 最新の通知テキスト
Firefox の縦タブに馴染みがある方なら、その便利さは想像がつくはず。タスクごとにワークスペースを作り、Cmd+1〜8 で瞬時に切り替えられます。
2. 通知リング — エージェントが注意を求めたら光る
AIエージェントが応答を待っている時、ペインに 青い通知リング が表示されます。サイドバーのタブにも未読バッジが付くので、複数エージェントを走らせていても「見逃し」がありません。
Cmd+Shift+Uで最新の未読通知にジャンプCmd+Iで通知パネルを開いて一覧確認- OSC 9/99/777 エスケープシーケンスを自動検知
- CLI からも送信可能:
cmux notify --title "完了" --body "ビルド成功"
3. インアプリブラウザ — ターミナルの横にブラウザを並べる
WebKit ベースのブラウザがアプリ内に統合されています。ターミナルペインの隣にブラウザを分割表示して、開発サーバーのプレビューや PR の確認がワンストップで完結します。
さらに驚くべきことに、このブラウザは スクリプタブル です。ソケット API 経由で以下の操作が可能:
- ページ遷移:
open,back,forward,reload - 要素操作:
click,fill,type,hover,scroll - 要素検索:
find,get - JavaScript 実行:
eval - スクリーンショット & PDF エクスポート
AI エージェントがブラウザを直接操作して E2E テストやデバッグを行うことも可能です。
4. 分割ペイン
Cmd+D で右に分割、Cmd+Shift+D で下に分割。Option+Cmd+矢印キー でペイン間をフォーカス移動。ドラッグ&ドロップでペインの並べ替えもできます。
5. ソケット API & CLI — 完全なスクリプタビリティ
Unix ソケット経由でプログラマティックに操作できる API を備えています:
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環境変数 CMUX_SOCKET_PATH, CMUX_TAB_ID, CMUX_PANEL_ID が各ペインに自動設定されるので、エージェントが自身のコンテキストを把握できます。
6. セッションリストア
アプリを再起動しても、ウィンドウレイアウト・ワークスペース構成・ペイン配置・作業ディレクトリ・ターミナルのスクロールバック・ブラウザの URL と履歴が復元されます。
7. Ghostty 設定との互換性
既存の Ghostty 設定ファイル (~/.config/ghostty/config) をそのまま読み込みます。テーマ、フォント、カラースキームなど、Ghostty ユーザーは移行コストゼロで使い始められます。
便利な使い方
パターン 1: タスクごとにワークスペースを分ける
ワークスペース 1: 認証機能の実装 (Claude Code)
ワークスペース 2: バグ修正 #423 (Claude Code)
ワークスペース 3: API ドキュメント更新 (Aider)
ワークスペース 4: フロントエンド改善 (Codex)
サイドバーで各タスクの状態(ブランチ名、PR ステータス、通知)が一目瞭然。Cmd+1〜4 で瞬時に切り替え。
パターン 2: ターミナル + ブラウザの分割表示
左ペインで Claude Code がフロントエンド修正 → 右ペインのインアプリブラウザで localhost:3000 をリアルタイム確認。ブラウザとターミナルのウィンドウ切り替え不要。
パターン 3: CI 監視と並行作業
Claude Code の Skill 機能と組み合わせて、CI の結果を監視しながら次のタスクに着手。通知リングで CI 完了やエラーを見逃さない。
パターン 4: 複数エージェントのオーケストレーション
ソケット API を使って、スクリプトから複数ワークスペースの作成・エージェント起動・結果収集を自動化。大規模リファクタリングやマイグレーションで威力を発揮。
インストール
DMG(推奨)
公式サイトからダウンロードして Applications フォルダにドラッグ。Sparkle による自動更新対応。
Homebrew
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CLI セットアップ
アプリ外から cmux コマンドを使うには:
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動作要件: macOS 14.0 以降、Apple Silicon または Intel Mac
主要キーボードショートカット
| 操作 | ショートカット |
|---|---|
| 新規ワークスペース | Cmd+N |
| ワークスペース切替 | Cmd+1〜8 |
| 新規タブ | Cmd+T |
| 右に分割 | Cmd+D |
| 下に分割 | Cmd+Shift+D |
| ペイン間移動 | Option+Cmd+矢印 |
| ブラウザを開く | Cmd+Shift+L |
| 通知パネル | Cmd+I |
| 未読にジャンプ | Cmd+Shift+U |
| コマンドパレット | Cmd+Shift+P |
| ターミナル検索 | Cmd+F |
対応 AI エージェント
ターミナルで動作するすべてのエージェントに対応:
- Claude Code (Anthropic)
- Codex (OpenAI)
- Gemini CLI (Google)
- OpenCode
- Kiro (AWS)
- Aider
- Goose
- Amp
- Cline
- Cursor Agent
ユーザーの声
“macOS terminal with vertical tabs, better organization/notifications, embedded/scriptable browser specifically targeted towards people who use a ton of terminal-based agentic workflows.”
— Mitchell Hashimoto (Ghostty 作者、HashiCorp 創設者)
“This is exactly the product I’ve been looking for. After two hours this am I’ve in love.”
— Nick Schrock (Dagster 作者、GraphQL 共同作者)
“I’ve been using this all weekend and it’s amazing.”
— Edward Grefenstette (Google DeepMind リサーチディレクター)
“Having this paired with lazygit and yazi / nvim made me a bit more productive than usual without having to chase multiple ghostty / iTerm instances. Also feels more natural than tmux.”
— afruth (Reddit)
tmux との比較
| cmux | tmux | |
|---|---|---|
| GUI | ネイティブ macOS GUI | ターミナル内 TUI |
| タブ | 縦タブ + メタデータ表示 | ステータスバー |
| 通知 | 視覚的な通知リング | なし(手動確認) |
| ブラウザ | 統合ブラウザ + API | なし |
| 設定 | GUI 設定画面 | 設定ファイル |
| プレフィックスキー | 不要 | Ctrl+B 必須 |
| 描画 | GPU アクセラレーション | テキストベース |
| スクリプト | ソケット API + CLI | tmux コマンド |
| セッションリストア | 自動 | プラグイン必要 |
まとめ
cmux は「AI エージェントと一緒にコーディングする」という新しいワークスタイルに最適化されたターミナルです。
- ネイティブ macOS アプリ で高速・軽量
- 縦タブ で複数タスクを一覧管理
- 通知リング でエージェントの状態を見逃さない
- インアプリブラウザ で開発サーバーの確認がワンストップ
- ソケット API で完全な自動化が可能
- 無料・オープンソース
AI コーディングエージェントを日常的に使っている方は、ぜひ試してみてください。
cmux v0.61.0 時点の情報です。最新情報は 公式サイト および GitHub リポジトリ をご確認ください。