GitHub Copilot CLI の /research コマンド — コミットログも Actions 履歴も全部調べてくれるディープリサーチ

@07JP27 氏が X で連続投稿し、GitHub Copilot CLI の /research コマンドの威力を紹介しています。

/research コマンドすげえ。Web を Deep Research してくれるのはもちろん、紐づくリポジトリのコミットログとか GitHub Actions の実行履歴まで全部見てくれて「お前のこのときのコミットのここが原因だぞ。Actions のログにもこう出てるだろ」みたいなことを言ってくる。

元の投稿では Qiita 記事(@shyamagu 氏の解説)も参照されており、MCP ツール連携や WorkIQ との統合例が紹介されています。本記事では、/research コマンドの技術的な仕組みと、Claude Code との比較を交えて解説します。

/research コマンドとは

概要

2026 年 2 月 25 日、GitHub Copilot CLI が全有料プラン向けに一般提供(GA)を開始しました。同日リリースの v0.0.417 で追加された /research コマンドは、ディープリサーチ専用のスラッシュコマンドです。

通常のチャットが速度重視なのに対し、/research徹底性(thoroughness)を重視します。複数のツールを呼び出しながら情報を収集し、数百行に及ぶ Markdown レポートを生成します。

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# 基本的な使い方
/research Azure App Service の 2026 年の新機能

# MCP ツールを明示的に指定
/research microsoft-docs ツールを使って Azure App Service の新機能を調査してください

3 つのクエリ分類

/research はクエリを自動分類し、回答形式を最適化します。

クエリ種別応答形式
プロセス質問ステップバイステップのガイド「このプロジェクトのデプロイ手順は?」
概念質問ナラティブな説明「React の Concurrent Rendering の仕組みは?」
技術ディープダイブアーキテクチャ図 + コード例「認証フローの実装を分析して」

出力と共有

レポートは Markdown ファイルとしてディスクに保存されます。一時的なチャットメッセージではなく、永続的な成果物として残ります。

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# Ctrl+Y で最新レポートをエディタで開く
# $COPILOT_EDITOR, $VISUAL, $EDITOR の順で使用

# Gist として共有
/share gist research

# ファイルとして保存
/share file research ./reports/analysis.md

なぜコミットログや Actions 履歴まで調べられるのか

GitHub MCP Server の組み込み

/research コマンドの真の強みは、GitHub MCP Server がデフォルトで組み込まれている点にあります。Copilot CLI は起動時に GitHub MCP Server を自動で接続し、以下のツールが使えるようになります。

カテゴリツール機能
コード探索search_codeリポジトリ横断のコード検索
コード探索get_file_contentsファイル内容の取得
コミット履歴list_commitsブランチ・リポジトリのコミット一覧
コミット履歴get_commit特定コミットの詳細(diff 含む)
Issueget_issue / list_issuesIssue の取得・一覧
Issuesearch_issuesリポジトリ横断の Issue 検索
PRpull_request_readPR の詳細情報
PRlist_pull_requestsPR の一覧
Actionslist_workflowsワークフロー一覧
Actionslist_workflow_runsワークフロー実行履歴
Actionsget_workflow_run特定実行の詳細
Actionsget_job_logsジョブログの取得
Actionsget_workflow_run_logs実行全体のログ取得

/research はこれらのツールを自律的に組み合わせて呼び出します。@07JP27 氏が驚いたように、**「このコミットのここが原因だ」「Actions のログにもこう出ている」**と具体的に指摘できるのは、コミット詳細(get_commit)とワークフローログ(get_job_logs)を実際に読んでいるからです。

調査の流れ

ユーザー: /research CI が昨日から失敗している原因を調べて

/research エージェントの行動:
  1. list_workflow_runs → 直近の実行履歴を取得
  2. get_workflow_run → 失敗した実行の詳細を確認
  3. get_job_logs → 失敗ジョブのログを読む
  4. list_commits → 失敗開始時点前後のコミット一覧を取得
  5. get_commit → 疑わしいコミットの diff を確認
  6. get_file_contents → 変更されたファイルの現在の内容を確認
  7. Web 検索 → エラーメッセージの解決策を調査

→ 原因特定 + 修正提案を含む Markdown レポートを生成

クロスリポジトリ検索

認証済みの GitHub アカウントを通じて、ローカルリポジトリに限定されない調査が可能です。組織内の他のリポジトリや、アクセス権のあるプライベートリポジトリも検索対象になります。

Copilot CLI の /research と Claude Code の違い

設計思想の違い

観点Copilot CLI /researchClaude Code
目的調査レポートの生成コードの実装・修正
出力Markdown レポート(読み取り専用)ファイル編集・コマンド実行
GitHub 連携MCP Server 組み込み済みMCP で追加設定が必要
Web 検索組み込みWebSearch / WebFetch
コード変更不可(レポートのみ)可能
モデル固定(/model 設定とは独立)選択可能

/research は「調査専門」

/research コマンドの重要な制約は、コードを変更しないことです。調査結果をレポートとして出力するだけで、ファイルの編集やコミットは行いません。これは意図的な設計で、「調べる」と「直す」を分離しています。

Claude Code は調査と実装を一貫して行えますが、GitHub のコミットログや Actions ログを直接読む機能は組み込まれていません。gh コマンドを Bash 経由で呼び出すことで同様の調査は可能ですが、/research のように専用の調査エージェントが自律的にツールを組み合わせる方式とは異なります。

補完的な使い分け

原因調査フェーズ:
  Copilot CLI /research → レポート生成
  「CI の失敗原因はこのコミットの依存関係変更」

修正実装フェーズ:
  Claude Code → コード修正 + テスト + コミット
  「依存関係を修正して CI を通す」

MCP ツール連携の拡張性

標準 GitHub MCP に加えたカスタム連携

Copilot CLI は GitHub MCP Server 以外のカスタム MCP サーバーも接続できます。@shyamagu 氏の Qiita 記事で紹介されている例を見てみます。

Microsoft Learn MCP Server

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# Microsoft Learn の公式ドキュメントを検索対象に追加
/research microsoft-docs ツールを使って Azure App Service の新機能を調査

MCP ツールを明示的に指定することで、Web の一般検索よりも正確な公式情報を得られます。

WorkIQ 連携

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# Microsoft 365 のデータにアクセス
/research workiq ツールを使って、昨日の予定表を確認し Excel にまとめて

M365 のカレンダー・メール・ファイルなど、業務データへのアクセスも MCP 経由で実現できます。

出力形式の柔軟性

/research は Markdown だけでなく、指定すれば PowerPoint(pptx)や Excel(xlsx)形式での出力にも対応します。ただし、精度はプロンプトの書き方に依存します。

Copilot CLI GA の全体像

/research は GA リリースに含まれる多くの新機能の一つです。主要な機能を整理します。

機能説明
Plan モードShift+Tab で計画モードに切替、実装前に構造化された計画を作成
Autopilot モード完全自律実行
/researchディープリサーチ + レポート生成
Agent SkillsMarkdown ベースのスキルファイルで専門ワークフローを定義
MCP サーバーカスタム MCP サーバーの接続
プラグイン/plugin install owner/repo でプラグインを追加
モデル選択Claude Opus 4.6, Sonnet 4.6, GPT-5.3-Codex, Gemini 3 Pro
自動コンパクションコンテキストの 95% で自動圧縮、無制限セッション
セッション再開--resume / /resume で過去のセッションを再開

対応プラットフォームとインストール

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# Homebrew(macOS / Linux)
brew install github/tap/copilot-cli

# npm
npm install -g @github/copilot-cli

# WinGet(Windows)
winget install GitHub.CopilotCLI

対応プラン: Copilot Pro, Pro+, Business, Enterprise

まとめ

  • /research はディープリサーチ専用コマンド: 2026 年 2 月 25 日の GA リリースで追加された。通常チャットより徹底的に調査し、Markdown レポートを生成する
  • GitHub MCP Server が組み込み済み: コミットログ(list_commits / get_commit)、Actions ログ(get_job_logs)、Issue、PR を自律的に横断調査する。これが「コミットのここが原因だぞ」と指摘できる理由
  • コードは変更しない: /research は調査レポートの生成に特化しており、ファイル編集やコミットは行わない。「調べる」と「直す」の分離が設計思想
  • MCP ツールで拡張可能: Microsoft Learn、WorkIQ など外部 MCP サーバーを接続して調査範囲を拡大できる
  • Claude Code との補完関係: /research で原因を特定し、Claude Code で修正を実装するという使い分けが効果的
  • マルチモデル対応: Claude Opus 4.6、GPT-5.3-Codex、Gemini 3 Pro など主要モデルを選択可能(ただし /research は固定モデル)

参考