takt は、Claude Code や Codex などの AI コーディングエージェントのワークフローを YAML で定義できる CLI ツールです。エージェントに単にコードを書かせるだけでなく、レビューループや人間の介入ポイントを宣言的に管理することで、品質の高いアウトプットを継続的に得られるよう設計されています。
takt とは
TAKT は TAKT Agent Koordination Topology の略で、ドイツ語の「拍子・指揮棒」を由来とする名前です。オーケストラの指揮者のように複数の AI エージェントを統率するというコンセプトが込められています。
- GitHub: https://github.com/nrslib/takt
- 言語: TypeScript
- スター数: 952(2026年4月時点)
- ライセンス: MIT
対応エージェント: Claude Code、Codex、OpenCode、Cursor、GitHub Copilot CLI
なぜ takt が必要か
AI コーディングエージェントを使う上で重要なのは、ワークフローの設計です。エージェントに「コードを書いて」と指示するだけでは、品質にばらつきが生じます。takt は以下の課題を解決します:
- レビューループの自動化: 実装 → レビュー → 修正 のサイクルを自動で回す
- 再現性の確保: 実行パスを YAML で宣言するため、チーム間で同じ品質プロセスを共有できる
- マルチエージェント対応: 異なるペルソナ・権限・レビュー基準を持つ複数エージェントをオーケストレーション
- 完全なトレーサビリティ: 全ステップを NDJSON でログに記録
インストールと基本的な使い方
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設定ファイル
~/.takt/config.yaml を作成してプロバイダーを指定します:
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API キーを直接使う場合(CLI のインストール不要):
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タスクをキューに積んで実行する
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キューに積まれたタスクは .takt/tasks/ に保存され、takt run で実行されます。実行時は独立した worktree が作成され、ワークフロー(計画 → 実装 → レビュー → 修正ループ)が完了すると PR 作成を提案します。
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ワークフローの仕組み
ワークフローは YAML でステップとルールを定義します。シンプルな例:
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COMPLETE でワークフロー成功終了、ABORT で失敗終了。ルール条件によって次のステップが決まります。
組み込みワークフロー
| ワークフロー | 用途 |
|---|---|
default | 標準開発。テストファースト + AIアンチパターンレビュー + 並列レビュー(アーキテクチャ + スーパーバイザー) |
frontend-mini | フロントエンド向けミニ構成 |
backend-mini | バックエンド向けミニ構成 |
dual-mini | フロントエンド + バックエンド構成 |
カスタマイズ
ワークフローのカスタマイズ
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カスタムペルソナの作成
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ワークフローから参照:
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レパートリーパッケージのインストール
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CI/CD 連携
GitHub Actions 用の takt-action が提供されています:
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パイプラインモードでの実行:
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プロジェクト構成
~/.takt/ # グローバル設定
├── config.yaml # プロバイダー・モデル・言語設定
├── workflows/ # ユーザー定義ワークフロー
├── facets/ # ペルソナ・ポリシー等
└── repertoire/ # インストール済みパッケージ
.takt/ # プロジェクトレベル
├── config.yaml # プロジェクト設定
├── workflows/ # ワークフロー上書き
├── tasks.yaml # ペンディングタスク
└── runs/ # 実行レポート・ログ
まとめ
takt は AI コーディングエージェントを「ただ動かす」のではなく、「品質を保ちながら動かす」ための仕組みを提供します。YAML によるワークフロー定義、レビューループの自動化、マルチエージェント対応など、チーム開発での AI 活用に特に有用です。
ツイートで紹介した通り、AI コーディングエージェントを使う上でワークフロー設計は本質的な課題です。takt はその課題に正面から向き合ったツールといえるでしょう。