福島県相馬市のパン屋「小麦の奴隷 相馬店」のオーナーが、コード経験ゼロから バイブコーディング(AI に自然言語で話しかけながらシステムを作り上げる開発スタイル)で「テイクアウト予約管理システム」を開発し、無料公開しました。Google Gemini と 500 時間かけて作り上げたこのシステムは、Google スプレッドシート + Google Apps Script(GAS)で動作し、初期費用・月額費用ともに 0 円です。

作ったのは「パン屋」

毎朝パンを焼き、接客をこなしながら、ずっと頭の片隅にあった課題——「予約管理、もっと楽にできないか」。

電話での注文受付や手書きのメモには限界があります。大手の予約管理サービスを使うと月額費用がかかり、小さな街のパン屋には導入ハードルが高い。そこでオーナーが選んだのが、Gemini と一緒に自分で作るという選択でした。

バイブコーディング(Vibe Coding)とは

バイブコーディング(Vibe Coding)とは、AI に自然言語で「こういう機能がほしい」と伝え、生成されたコードをそのまま受け入れながら開発を進めるスタイルです。OpenAI 共同創業者の Andrej Karpathy が提唱した概念で、「コードの存在を忘れ、AI に任せきる」ことが核心にあります。従来のプログラミングのように構文を覚える必要はなく、「何をしたいか」を伝えることに集中できます。

このシステムでは:

  1. Gemini に「こういう動作をさせたい」と日本語で依頼
  2. Gemini がコードを生成
  3. GAS にコードを貼り付けて動作確認
  4. うまく動かなければ Gemini にフィードバックして修正
  5. 1〜4 を繰り返す

500 時間という数字は、この試行錯誤の積み重ねです。非エンジニアがゼロから実用システムを作り上げた記録でもあります。

システムの構成

店主・スタッフが Google スプレッドシートを操作し、GAS がロジックと自動化を担う2層構成。Gemini AI は開発フェーズのバイブコーディングで使用

シンプルな構成の理由は明確です——すでに Google アカウントを持っていれば、追加のサービス契約なしにすぐ使える環境が整っています。

何ができるのか

このシステムが解決するのは「注文受付とピッキング作業を楽にしたい」という、現場の本音から生まれた課題です。

  • テイクアウト注文の受付管理
  • 注文一覧の可視化とピッキング作業の効率化
  • 電話・手書きメモからの脱却

一方で、大手有料サービスのような機能(売上・在庫管理、オンライン決済など)は備えていません。「現場で本当に必要なこと」に絞って設計されています。

導入コストと方法

項目内容
初期費用0 円
月額費用0 円
必要なものGoogle アカウントのみ
導入時間約 1 分

Google スプレッドシートの拡張として動作するため、特別なサーバーやインフラは不要です。

なぜ無料公開したのか

同じような悩みを抱える小さなお店が、全国にたくさんあるはず——そういう思いから、無料公開に踏み切りました。開発に 500 時間かけた成果を、同じ立場の人たちと共有することで、現場の課題を少しでも減らしたいという想いが込められています。

非エンジニアが作ったことの意味

このシステムが注目される理由のひとつは、プログラミング経験のない現場のプロが作ったという点です。

エンジニアが外から見て「こういうものがあれば便利だろう」と設計するシステムではなく、毎日パンを焼きながら感じた不便さから直接生まれたシステムです。500 時間という長い道のりは、現場のリアルな課題と向き合い続けた時間でもあります。

バイブコーディングが実用的なツールになりつつあることを、このパン屋の事例は示しています。

まとめ

  • 福島県相馬市のパン屋が Gemini とのバイブコーディングで予約管理システムを開発
  • Google スプレッドシート + GAS 構成で初期・月額費用ともに 0 円
  • コード経験ゼロから 500 時間かけて完成、無料公開
  • 「注文受付とピッキング作業を楽にしたい」という現場ニーズに特化した設計

詳細・導入方法は note 記事 を参照してください。