東京大学の院生(shunya_sudo)が、45 本の cron ジョブ・36 個のカスタムエージェント・132 本の Python スクリプト で構成した日常業務自動化システムの全記録を Zenn で公開した。M1 冬から約半年間 Claude Code を使い続けて構築したシステムで、メール処理・論文監視・ML コード開発・システム自己監視まで設計原則と実装を網羅している。

システムの全体構成

macOS 上で以下の構成で稼働している。

構成要素
cron ジョブ45 個
カスタムエージェント36 個
Python スクリプト132 本

基本アーキテクチャは 「Python が処理、Claude CLI が判断」 というシンプルな分離原則に基づく。データ取得・加工は Python スクリプトが担い、要約・判断・生成を Claude CLI が受け持ち、定時実行は cron で管理する。

主な自動化タスク

メール処理(Gmail API)

Gmail API を用いてメールを 4 段階に自動分類 し、返信が必要なものには 下書きを自動生成 する。

  • 緊急対応 / 要確認 / 参照 / アーカイブの 4 レベル分類
  • Claude が文脈を読んで返信の下書きを生成
  • 最終判断・送信は人間が行う

日程調整(ICS URL)

ICS URL を活用してカレンダーを自動更新し、日程調整の候補時間を自動挿入する。手動でのカレンダー確認作業をゼロにした。

論文の新着監視・要約

論文の新着を自動監視し、要約を生成してレポートする。ML 系の研究者が日々こなしている「論文をスキャンして重要なものを見つける」作業を自動化した。

ML コード開発支援

機械学習のコード開発を Claude が補助する。実験設定や定型的なパイプラインの生成を自動化した。

システム自己監視

構築した自動化システム自身を監視し、エラーや異常を検知して通知する。45 個のジョブの稼働状態を常時チェックする。

日次・週次レポート自動生成

1 日・1 週間の活動サマリを自動生成して進捗把握に利用。このレポートに使っていた時間を本来の研究に充てられるようになった。

設計哲学:「AI に下書きを出させ、判断は人間が引き受ける」

設計原則は以下に尽きる。

AIに下書き・候補・通知を出させる。最終判断は人間。

Claude CLI を「考えるパーツ」として使い、データの取得・加工は Python が担う。Claude が担当するのは:

  • 返信が必要なメールの判断
  • 情報の要約方針の決定
  • エラーの緊急度の評価

といった 判断 のみ。実行や送信は人間が承認してから行う設計になっている。これにより AI が誤動作するリスクを排除しつつ、認知コストのかかる「考える」部分を自動化できる。

最大の成果:「雑務に脳を使わなくなった」

約半年でシステムを育て、最も変わったのは 「雑務に脳のリソースを取られなくなった」 ことだという。

メールの仕分け、論文のスキャン、日程確認といった認知コストがかかりながらも本質的でない作業から解放され、研究本来のテーマに集中できるようになった。

まとめ

このプロジェクトが示しているのは、Claude Code が「コード補完ツール」を超えた 日常業務の自動化基盤 として機能するということだ。

45 本の cron ジョブの具体的な設定と Python + Claude CLI の組み合わせ方は、AI 業務自動化を検討しているエンジニアの参考になる。実装の全記録は下記リンクの Zenn 記事で確認できる。

参考リンク