本文へスキップ
hdknr blog
戻る

APM(Agent Package Manager)— AI エージェント設定を npm のように管理するツール

フロントエンドエキスパートの mizchi さんが「チームでの skills 共有に apm いいじゃん。採用」と X にポストして話題になった APM(Agent Package Manager)。Microsoft がオープンソースで開発しているこのツールは、AI エージェントの設定を package.json のように宣言的に管理・共有できます。

APM とは

APM は AI エージェント向けの依存関係マネージャーです。npmpip がライブラリ依存を管理するように、APM はエージェントが必要とするコンテキスト(スキル、プロンプト、プラグイン、MCP サーバーなど)を apm.yml に宣言して管理します。

対応エージェント:

解決する問題

AI コーディングエージェントを使うには、標準設定・プロンプト・スキル・プラグインといったコンテキストが必要ですが、現状は開発者が各自で手動セットアップしています。移植性がなく、再現性もありません。

APM を使えば、プロジェクトに apm.yml を 1 つ置くだけで、リポジトリをクローンした全員が同じエージェント環境を即座に再現できます。

基本的な使い方

インストール

# macOS / Linux
curl -sSL https://aka.ms/apm-unix | sh

# Homebrew
brew install microsoft/apm/apm

# pip
pip install apm-cli

apm.yml の設定例

name: your-project
version: 1.0.0
dependencies:
  apm:
    # 任意のリポジトリからスキルを取得
    - anthropics/skills/skills/frontend-design
    # プラグイン
    - github/awesome-copilot/plugins/context-engineering
    # エージェントプリミティブ
    - github/awesome-copilot/agents/api-architect.agent.md
    # バージョン指定した APM パッケージ
    - microsoft/apm-sample-package#v1.0.0

セットアップ

git clone <org/repo>
cd <repo>
apm install   # エージェント設定が一括セットアップされる

マーケットプレイスからのインストール

apm marketplace add github/awesome-copilot
apm install azure-cloud-development@awesome-copilot

主な機能

1 つのマニフェストで全対応

apm.yml で以下をすべて管理できます:

どこからでもインストール可能

GitHub、GitLab、Bitbucket、Azure DevOps など主要な Git ホスティングサービスに対応。GitHub Enterprise も含みます。

推移的依存解決

パッケージがパッケージに依存できます(推移的依存)。APM が依存ツリー全体を自動解決するため、利用者は直接参照するパッケージだけ apm.yml に書けば済みます。

セキュリティスキャン

apm audit   # 不正な Unicode などを検出

apm install は侵害されたパッケージをエージェントが読む前にブロックします。

プラグイン作成と配布

apm pack    # 設定をパッケージ化(zip または standalone plugin.json)

Copilot・Claude・Cursor プラグインを依存管理付きで作成し、plugin.json 標準形式でエクスポートできます。

CI/CD 対応

GitHub Action でワークフローに組み込めます。

チームでの活用シナリオ

  1. スキル共有: チームで使う Claude Code スキルを apm.yml に宣言、apm install で全員が同じスキルを利用
  2. プロジェクト標準化: プロジェクトごとのエージェント設定をリポジトリに同梱
  3. オンボーディング短縮: 新メンバーが apm install だけで開発環境のエージェント設定を完了

agentrc との連携

同じく Microsoft 製の agentrc と組み合わせることで、コードベースを分析して最適なエージェント指示を自動生成し、APM でパッケージとして配布するワークフローが構築できます。.instructions.md 形式を両ツールが共有しているため変換不要です。

まとめ

APM は「AI エージェント設定の再現性と共有」という実用的な課題を解決するツールです。Claude Code を含む主要エージェントに対応し、npm install の感覚でチーム全員のエージェント環境を揃えられます。



前の記事
Claude を「原始人」口調にするとトークンが 80% 減る話
次の記事
「AIファースト」戦略の本当の意味 — ハーネスエンジニアリングで25人チームが6週間を1日に短縮した方法