Claude Code を使って、20カ国それぞれにAIエージェントを配置し、自律的に外交・貿易・紛争をシミュレートする「世界AIシミュレーター」を作っている開発者が話題になっています。放っておくと日米AI同盟が自然発生したり、中国AIがレアアース輸出制限を発動したりと、リアルな地政学ドラマがAIによって自動生成される面白い試みです。

「世界AIシミュレーター」とは

すぐる氏(@SuguruKun_ai)が Claude Code を使って開発中のプロジェクトで、世界20カ国それぞれにAIエージェントを配置し、各国AIが自律的に外交判断を下して動く「世界AIシミュレーター」です。

主な特徴は以下の通りです:

  • 20カ国のAIエージェント: それぞれの国を担当するAIエージェントが独立して意思決定する
  • 自律外交: 同盟、貿易協定、技術共有、紛争まで全部自動でAIが判断
  • 3Dビジュアライゼーション: 3D地球儀上でリアルタイムにビームが飛び交う
  • タイプライター演出: 外交チャットがタイプライター効果でリアルに流れる
  • ライブニュース速報: 画面下部にニュース速報がLIVE表示される

Claude Code でマルチエージェント地政学シミュレーション

このプロジェクトの技術的なポイントは、Claude Code を使ってマルチエージェントシステムを構築している点です。各国エージェントは以下のような判断を自律的に行います:

外交アクション

  • 同盟締結: 他国AIと交渉して軍事・経済同盟を形成
  • 貿易協定: 輸出入条件を自律交渉して協定を締結
  • 技術共有: AI・半導体・エネルギー等の技術移転協議
  • 経済制裁: 対立国へのレアアースや輸出制限の発動

リアルで面白い展開

実際に動かすと予想外のドラマが生まれるとのことです:

「放っておくと勝手に日米AI同盟が組まれたり、中国AIがレアアース輸出制限を発動したりして普通に面白いです笑」 (すぐる氏 @SuguruKun_ai

現実の地政学的文脈を反映したかのような判断をAIが自律的に下す様子は、単なるランダムなシミュレーションを超えて、実際の国際関係の力学を模倣しているようにも見えます。

マルチエージェントシステムの設計パターン

このような「複数AIエージェントが自律的に相互作用するシステム」を Claude Code で構築する際の一般的なパターンを整理します。

エージェント間通信の設計

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# 各国エージェントの基本構造(概念的な例)
class CountryAgent:
    def __init__(self, country_name: str, context: dict):
        self.country = country_name
        self.context = context  # 国の状況・価値観・戦略
    
    def evaluate_proposal(self, proposal: dict, from_country: str) -> dict:
        """外交提案を評価して応答を返す"""
        prompt = f"""
        あなたは{self.country}の外交担当AIです。
        {from_country}から以下の提案が届きました: {proposal}
        現在の国際情勢: {self.context}
        
        この提案を受け入れるか、修正提案を出すか、拒否するかを判断してください。
        """
        # Claude API でエージェントの判断を生成
        return call_claude(prompt)
    
    def decide_action(self, world_state: dict) -> dict:
        """現在の世界情勢を見て次のアクションを決定"""
        # 外交提案・経済制裁・同盟申請などを自律生成
        ...

リアルタイムビジュアライゼーション

3D地球儀上でのリアルタイム表示には、実際の使用技術は公開されていませんが、以下のような構成が一般的です:

  • Three.js / Babylon.js: WebGL ベースの3D地球儀レンダリング
  • D3.js: 国間の外交ビーム(弧線アニメーション)
  • WebSocket: バックエンドのエージェント通信をリアルタイムでフロントに反映

タイプライター演出の実装

外交チャットのタイプライター効果は、LLM のストリーミングレスポンスと相性が良いです:

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// Claude API のストリーミングをタイプライター表示
async function streamDiplomacyMessage(message, displayElement) {
  const stream = await claude.messages.stream({
    model: "claude-sonnet-4-6",
    max_tokens: 1024,
    messages: [{ role: "user", content: message }]
  });
  
  for await (const event of stream) {
    if (event.type === "content_block_delta" && event.delta.type === "text_delta") {
      displayElement.textContent += event.delta.text;
      await new Promise(r => setTimeout(r, 50)); // タイプライター遅延
    }
  }
}

Claude Code がマルチエージェント開発を加速する理由

このプロジェクトが Claude Code で作られていることは重要な意味を持ちます。

複雑なシステムの設計支援

20カ国×多様な外交アクション×リアルタイムビジュアライゼーションという複雑なシステムを、Claude Code はコンテキストを保ちながら継続的に支援できます:

  • エージェントのロジック設計
  • 国家間の相互作用ルールの実装
  • バグ修正やパフォーマンス改善
  • 新機能追加(例: 新たな経済連携オプションの追加)

反復的な開発サイクル

「放っておくと面白い展開が生まれる」という体験は、実際に動かしてみないとわからない部分が多いです。Claude Code を使うことで、「試す → 問題発見 → 修正」のサイクルを素早く回せます。

AIマルチエージェントシミュレーションの可能性

このプロジェクトは単なるゲームを超えた可能性を秘めています:

政策シミュレーション

実際の外交政策の影響を事前にシミュレートする研究ツールとして活用できるかもしれません。「もし◯◯制裁を発動したら、同盟関係はどう変わるか?」という仮説検証。

AIの意思決定パターンの研究

複数のAIエージェントが相互作用するとき、どのような集合知・集合行動が生まれるかを研究する材料にもなります。

エンターテインメントとしてのAI地政学

AIが生成するリアルな外交ドラマは、ストラテジーゲームの新しい形として注目されています。人間がルールを設計して、AIが無数のシナリオを生成するという形態は、ゲームデザインの新しいパラダイムかもしれません。

まとめ

Claude Code を活用した「世界AIシミュレーター」は、マルチエージェントAIの可能性を視覚的かつ直感的に示している面白いプロジェクトです。20カ国のAIエージェントが自律的に外交を行い、現実の地政学を模倣したドラマを生み出す様子は、LLM の文脈理解能力と自律的な意思決定能力の高さを示しています。

Claude Code でこのような複雑なマルチエージェントシステムを個人開発者が作れる時代になったことは、AI開発の民主化を象徴するエピソードとも言えます。今後、同様のアプローチで様々な社会シミュレーションが生まれてくることが期待されます。


情報源: すぐる氏の投稿(X)