ChatGPT に「Claude Code で株ツールを作っている人の事例を調べてくれ」と聞いて見つかった記事シリーズが話題になっている。Zenn の okikusan さんによる Claude Code Skills × 投資分析シリーズ は、試行錯誤の過程が詳らかに書かれており、Claude Code を使った個人開発の実践例として非常に参考になる。
本記事ではこのシリーズ(Vol.1〜5)の内容を紹介する。
シリーズ概要
Claude Code Skills × 投資分析シリーズ — 記事一覧
「自然言語で話しかけるだけで、銘柄探索・分析・ポートフォリオ管理・リスク評価が自動実行される」投資分析システムを Claude Code Skills を使って構築・進化させてきたシリーズ。
全 5 本の記事で、スクリプトによる自動化 から始まり、GraphRAG による学習、高度な分析機能の追加を経て、最終的には 6 つの AI エージェントが自律的に連鎖するマルチエージェントオーケストレーション、さらには 4 つの異なる AI が反証し合う DeepThink へと進化している。
Vol.1: 株スクリーニングを自動化した話
テーマ: スクリプトで自動化
Python × yfinance × Claude Code Skills で、株式スクリーニングからポートフォリオ管理まで投資分析を自動化した第一弾。4 つのスクリーナーエンジンとヘルスチェック機能を実装している。
主な実装内容:
- yfinance を使った株価データ取得
- 4 つのスクリーナーエンジン(QueryScreener・PullbackScreener・AlphaScreener・ValueScreener)
- ポートフォリオのヘルスチェック機能
- Claude Code Skills による自然言語インターフェース
Vol.2: 使うほど賢くなる投資分析 AI
テーマ: GraphRAG で学習
Neo4j ナレッジグラフを導入し、過去の分析・売買・投資メモを蓄積することで、使うほど文脈を踏まえた判断ができるようになる仕組みを実装。
GraphRAG(Graph Retrieval-Augmented Generation)の活用により、単なるスクリプト実行から「記憶を持つ AI」への進化を実現している。
Vol.3: 処方箋エンジン・逆張り検出・銘柄クラスタリング
テーマ: 分析機能を高度化
Vol.2 までの基盤に 7 つの新機能を追加した機能拡張編(主要 3 点を紹介):
- PF 処方箋エンジン: ポートフォリオの課題を診断して改善提案
- 逆張りシグナル検出: 過売り・過買いの銘柄を自動検出
- コミュニティベースの銘柄クラスタリング: 類似銘柄をグルーピング
Vol.4: ゼロから再設計。マルチ AI エージェントが自律的に動く投資アシスタントに
テーマ: Agentic AI Pattern で自律化
Vol.1〜3 の構造を抜本的に再設計し、完全リニューアル。6 つの AI エージェントが連鎖して自律的に動くマルチエージェントオーケストレーションを実現:
| エージェント | 役割 |
|---|---|
| Screener | 銘柄スクリーニング |
| Analyst | 詳細分析 |
| Health Checker | ポートフォリオ健全性チェック |
| Researcher | 情報収集 |
| Strategist | 投資戦略立案 |
| Reviewer | 総合レビュー |
マルチ LLM(GPT / Gemini / Claude)によるレビュー、自律修正ループ、GraphRAG による文脈注入を実装。「6 つのエージェントが連鎖して動く」設計は、Claude Code Skills の真髄を示す実装例と言える。
Vol.5: 4 つの AI に反証させて考え直す DeepThink を実装【最新】
テーマ: マルチ LLM Swarm で深掘り
通常モード(Few-shot)は 1 回答えて終わりだが、DeepThink(Zero-shot)は異なる。結論を出した後に 4 つの AI(Claude / GPT / Gemini / Grok)が同時にレビューし、反証→修正→再評価を収束するまで自律ループする。
特徴:
- 2 層モデル: インフラ層固定 + 推論層動的割当
- 役割分担: 各 AI の得意・不得意に応じた役割分担
- 出力構成: エグゼクティブサマリー + Swarm 議論の統合 + 詳細の 3 部構成
技術スタック
シリーズで使用している技術スタック(原記事記載の値):
| 分類 | 技術 |
|---|---|
| ランタイム | Claude Code(claude-sonnet-4-6) |
| 外部 LLM | gpt-5.4(OpenAI)、gemini-3.1-pro-preview(Google)、Grok(xAI) |
| データ取得 | yfinance(Yahoo Finance API) |
| リアルタイム情報 | Grok API(X センチメント・ニュース)、Gemini Grounding(Google 検索) |
| ナレッジグラフ | Neo4j(GraphRAG) |
| 言語 | Python 3.10+ |
リポジトリ
- Vol.4(現行): okikusan-public/stock_skills_2
- Vol.1〜3(旧): okikusan-public/stock_skills
Vol.4 でアーキテクチャを完全リニューアルしたため、新リポジトリとして公開されている。.claude/ ディレクトリ内に skills・agents・tools が整理されており、Claude Code Skills の実装例として参考にしやすい構成になっている。
まとめ
このシリーズは Claude Code Skills を実際の業務課題(投資分析)に適用し、Vol.1 の単純なスクリプト自動化から Vol.5 のマルチ LLM Swarm まで、段階的に進化させていく過程が記録されている。
特に注目すべきは以下の 2 点:
- 試行錯誤の過程が詳細に記録されている — 完成形だけでなく、なぜこのアーキテクチャを選んだか、どこで躓いたかが分かる
- 実用的なドメイン(投資分析)への適用 — 抽象的なデモではなく、実際に使っているシステムを公開している
Claude Code Skills を使った個人開発の参考として、シリーズ全体を通読する価値がある。