Claude Code の拡張 OSS「Claude Harness」が v4.0.0 “Hokage” をリリースした。コア全体を Go ネイティブに書き換え、フック実行速度が約 30 倍に向上。設定ファイルも harness.toml 1 本に集約され、大幅に扱いやすくなった。

Claude Code の拡張機構とは

Claude Code には最初から強力な拡張機構が備わっている。

  • hooksPreToolUse / PostToolUse / SessionStart などのイベントでスクリプトを差し込める
  • permissionssettings.json の deny ルールで危険なコマンドを事前ブロックできる
  • plugin systemplugin.json で自作プラグインを作り、チーム配布できる
  • skills — スラッシュコマンドで自作ワークフローを走らせられる
  • MCP — 外部ツール(DB・Slack・GitHub…)をネイティブ連携できる

「AI がやらかしそうなこと」「自律運用のワークフロー」「危ないコマンドのブロック」はほぼ全部、Claude Code の機能で実現できる。

自分で全部セッティングするのは無理ゲー

強力だからといって、簡単ではない。
自作で「AI に危ないコマンドを通させない」ワークフローを組もうとすると、以下を理解しておかなければならない。

  • plugin.json — プラグインマニフェスト
  • hooks.json — PreToolUse に走らせるスクリプトを宣言
  • settings.json — deny ルールを人力で組み立てる
  • .mcp.json — MCP サーバー設定
  • .claude-plugin/hooks.json — プラグイン経由のフックも別途

整合させる JSON が 5〜6 本。どれか 1 つを直すと別がズレる。
さらに「Plan → Work → Review の自律運用」を乗せようとすると以下も必要になる。

  • Plans.md のタスク管理ルールを自作
  • 実装用エージェントの prompt を書く
  • レビュー用の別エージェントも自作
  • フックでタスク進捗を同期
  • ガードレールのルールテーブルを設計

本業の片手間にやると数日〜1 週間は溶ける。その後の運用中も地味にメンテナンスコストがかかり続ける。

Claude Harness は、これを 1 パッケージで組み込んだ外装プラグイン

Harness は Claude Code の拡張機構をフル活用した外装プラグイン。
AI エンジニアが自作すると数日かかる構成を、インストール 1 回で手元に落とす。

「自分で組み立てると数日かかる」が、
/plugin install して 3 分で動く」になる。

v4.0.0 “Hokage” は、その鎧をより軽く・より厳しく・より身軽にしたリリースだ。

v4.0.0 の 4 つの進化ポイント

⚡ フック実行が 30 倍速になった: Go ネイティブ化

問題:
以前の Harness フックは bash → Node.js → TypeScript ガードレールエンジン の 3 段ロケットで動いており、1 回の呼び出しに約 300ms かかっていた。Plan と Work を行き来するだけで気づかないうちに手元が重くなる。

解決:
v4 でこれが Go バイナリ 1 本になった。bin/harnesshooks.json から直接呼ばれ、フック 1 回の実行が約 10ms まで短縮された。30 倍の高速化だ。

技術メモ:
pure-Go SQLite(modernc.org/sqlite)を採用し、Node.js ランタイム要件を完全排除した。

🛡️ さらに厳格化: R12 が deny に、Bash bypass も防止

問題:
AI に実装を任せていると「それ、実行させちゃダメだった」が通ることがあった。
git push --forcerm -rf、保護ブランチへの直 push、--no-verify による hook bypass などが、警告のみで止まらないケースがあった。

解決:
v4 でガードレール R12 を deny に格上げ。保護ブランチへの直接 push は完全ブロック。
さらに Claude Code 2.1.98 で発見された Bash permission bypass 2 種も、Harness 側で二層目として重ねて塞いだ。

技術メモ:
defense in depth — CC 本体が塞いだ穴を Harness が再度塞ぐ構造で、auto-allow すり抜け対策を強化。

📁 設定が harness.toml 1 本に: SSOT 化

問題:
冒頭で触れた 5〜6 本の JSON 整合。これを運用中ずっと手でやるのは、地味につらい。
どれか 1 つを直すと、別のどれかでズレて、開発体験を削る。

解決:
v4 で harness.toml 1 本が SSOT になった。

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# harness.toml を書いて
$ bin/harness sync
# plugin.json / hooks.json / settings.json
# が全て整合。

手動同期の事故は、ゼロになった。

📦 身軽になった: Node.js 依存ゼロ、ネイティブ 3 バイナリ配布

問題:
以前は Harness を動かすために Node.js をマシンに入れる必要があった。
better-sqlite3 が Node のバージョン依存で、Node 24 に上げると壊れる互換問題もあった。

解決:
v4 からランタイム依存はゼロ。ネイティブバイナリ 3 本で配布される。

まとめ

改善点BeforeAfter
フック実行速度~300ms~10ms(30 倍速)
設定ファイル数5〜6 本を手動整合harness.toml 1 本
ガードレールR12 warnR12 deny + Bash bypass 二重防御
Node.js必要不要(ネイティブバイナリ)

Claude Code は強力な拡張機構を持っている。
でも全部自分で組むと、5〜6 個の設定ファイル、自作エージェント、独自ルール…で数日溶ける。

Harness は、それを 1 パッケージで組み込んだ外装プラグイン。
v4.0.0 “Hokage” はその鎧を、軽く・厳しく・より身軽にしたリリースだ。

使ってみる

Claude Code v2.1.92 以上(推奨)があれば、以下の手順で導入可能。

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# Claude Code を起動した状態で
/plugin marketplace add Chachamaru127/claude-code-harness
/plugin install claude-code-harness@claude-code-harness-marketplace
/harness-setup

あとは /harness-plan をつけて最初の依頼を指示するだけ。

既に使っている人は:

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/plugin update claude-code-harness