スタートアップコミュニティで知名度の高い Greg Isenberg が、Obsidian と Claude Code を組み合わせて「24時間365日稼働するパーソナル AI オペレーティングシステム」を構築する方法を公開した。閲覧数 110 万超、ブックマーク 17,000 超と大きな反響を呼んでいる。

なぜ Obsidian × Claude Code なのか

多くの人は AI を「汎用チャットボット」として使っている。セッションを開くたびに自己紹介し、プロジェクトの背景を説明し直す——この繰り返しが生産性のボトルネックになっている。

Greg が提案するアプローチは、自分の思考・知識・文脈をすべて Obsidian ボルト(ノート群)に蓄積し、Claude Code がそれを読み込んで行動するというものだ。人間が書き、AI が読んで実行する、という明確な役割分担がポイントになる。

10 ステップで始めるパーソナル OS

ステップ 1: 全てを Markdown で書く

日報・プロジェクト概要・自分の信念・人脈・議事録——あらゆる情報を Markdown ファイルとして Obsidian ボルトに記録する。フォーマットを統一することで、Claude Code が構造的に読み取れるようになる。

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vault/
├── daily/
│   └── 2026-04-22.md     # 日報
├── projects/
│   └── my-startup.md     # プロジェクト概要
├── people/
│   └── john-doe.md       # 人脈メモ
├── beliefs/
│   └── product-philosophy.md  # 信念・哲学
└── meetings/
    └── 2026-04-22-kickoff.md  # 議事録

ステップ 2: ノート同士を自分の思考回路のようにリンクする

[[プロジェクト名]] 形式のウィキリンクでノートを繋ぎ、自分の思考の連鎖を反映させる。単なるメモの集合ではなく、考え方のグラフを構築することが目的だ。

ステップ 3: Obsidian CLI で Claude Code とボルトを接続する

Obsidian CLI(コマンドラインインターフェース)をインストールすることで、Claude Code がボルト全体のファイルとリンク構造を読み取れるようになる。Obsidian 公式も「GitHub Copilot や Claude などの生成 AI ツールが CLI 経由でボルトにアクセスできる」と言及している。

ステップ 4: セッションのたびに説明し直さない

プロジェクトの背景・制約・目標を記した「参照ファイル」をボルト内に用意する。次のステップで定義するカスタムコマンドを使って会話開始時にこれを読み込めば、毎回ゼロから説明する手間がなくなる。

ステップ 5: カスタムスラッシュコマンドを作る

Claude Code のスキル(スラッシュコマンド)として以下を定義すると、ボルトを最大限に活用できる:

コマンド動作
/context現在の仕事・生活状態を全読み込み
/traceあるアイデアが数ヶ月でどう進化したかを追跡
/connect関連しそうな 2 つのドメインを橋渡し
/ideasボルトの内容からスタートアップアイデアを生成
/graduate日々の思いつきを実際のプロジェクト資産に昇格

ステップ 6: 「人間が書く、AI が読んで実行する」ルールを徹底する

ボルトへの書き込みは必ず人間が行う。AI はボルトを読み取り、提案し、実行するだけだ。この役割分担を守ることで、知識ベースの品質が保たれ、AI の出力に自分の声・視点が反映される。

ステップ 7: Claude に「無意識のパターン」を浮かび上がらせる

長期間書き溜めたノートの中には、自分でも気づいていない繰り返しのテーマや関心領域が隠れている。Claude Code にボルト全体を分析させることで、「数年間ぐるぐる考えてきたが形にしていなかった課題」が可視化される。

ステップ 8: ノートの一文から AI にタスクを委ねる

Obsidian のノートに「〇〇を調べてまとめる」と一行書く——それだけで Claude Code がタスクを引き受けて実行する。指示はボルト内に記録されるので、タスク管理ツールを別途使う必要もなくなる。

ステップ 9: 書くことをレバレッジとして扱う

書いた量がそのまま AI の文脈の量になる。ボルトが育つほど、AI は自分の思考スタイル・優先順位・言葉づかいを学習し、より精度の高いサポートができるようになる。書くことは AI に投資することだ

ステップ 10: Markdown ファイルは LLM の酸素

Greg が最後に強調しているのはこの一点だ。LLM はプレーンテキストの Markdown が最も得意とするフォーマットであり、構造化された Markdown ノートはモデルの推論精度を直接高める。PDF や Word ではなく Markdown で書く習慣が、長期的に大きな差を生む。

99.99% の人がやらない理由

Greg はこう述べている:

99.99% of people won’t do this because it requires reflection + setup. But once the vault exists, the agent stops being generic. It starts thinking in your voice.

セットアップに時間と内省が必要なため、実践する人は少ない。しかし一度ボルトが育ち始めると、AI は「汎用ツール」ではなく「自分専用の思考パートナー」に変わる。

まとめ

Obsidian × Claude Code のセットアップは、一言で言えば「自分の脳の外部化」だ。

フェーズ作業
構築期Markdown でノートを書き溜め、リンクで繋ぐ
接続期Obsidian CLI + Claude Code でボルトを読み込み
活用期カスタムコマンドでコンテキスト付き AI タスクを実行

起業家・フリーランス・研究者など、大量の知識と意思決定を扱う人にとって特に有効なフレームワークだ。Greg のオリジナルスレッド(英語)と動画解説は X のポスト で確認できる。


元情報: @obsidianstudio9 の X ポスト@gregisenberg の X ポスト