Anthropic のエンジニアとされる人物が Claude Code を使って Polymarket(予測市場プラットフォーム)向けの取引 bot を構築し、$200(約3万円)を $14,300(約200万円)に成長させたという事例が話題を集めている。ただし本人の公的な確認は取れておらず、複数の紹介ツイートも「伝えられるところによると」という留保を付けている点は注意が必要だ。

単純に取引回数を増やすのではなく、「勝てる場面だけを選ぶ」判断を AI に委ねるという設計思想が注目ポイントだ。

Polymarket とは

Polymarket は分散型の予測市場プラットフォームで、政治・経済・スポーツなど様々なイベントの結果に対してポジションを取れる。各イベントの結果確率を市場参加者が売買することで価格が形成される仕組みになっている。

bot のアーキテクチャ

このシステムは Claude Code をベースに、以下の3つの機能を組み合わせて動作する。

1. 大規模な取引データ分析

  • 8,600万件の取引データを AI で分析
  • 過去のパターンから「どういう取引が利益を出しやすいか」を学習

2. ウォレットランキング

  • Polymarket の 14,000 以上のウォレットを数分でスキャン
  • 各ウォレットの勝率・利益率を算出し、ランキング化
  • 高勝率ウォレット(クジラ)が動いたタイミングを検出する

3. 厳選した取引実行

  • 1日あたりわずか 10 回のみ取引を実行
  • 勝率の高いクジラが動いた相乗りポジション、かつクジラより早く Exit(手仕舞い)
  • 高確率の取引だけに絞ることでドローダウンを最小化

設計思想:「勝てる場面だけ選ぶ」

このシステムが興味深いのは、取引頻度ではなく取引品質を最大化している点だ。

多くのアルゴリズムトレードは「できるだけ多くの機会を捉える」方向に走りがちだが、このボットは逆の方針を選んでいる。

  • 力技で数をこなす → 採用しない
  • 「勝てる場面だけ選ぶ」判断を AI に任せる → 採用

1日10回という制約は、シグナルの質を落とさないための意図的な設計といえる。

Claude Code + Skills + MCP の連携

このような bot を実際に構築するには、Claude Code 単体ではなく、SkillsMCP(Model Context Protocol) を組み合わせた拡張が必要になる。Claude Code だけでは外部 API への接続や大規模データパイプラインを扱いきれないためだ。

役割手段
ブロックチェーンデータの取得MCP(blockchain data provider)
ウォレットスキャン・ランキング計算Custom Skill
取引シグナルの判定Claude Code(推論)
Polymarket API への注文送信MCP(Polymarket API)

MCP を使うことで外部 API やデータソースへのアクセスを安全に管理しつつ、Claude に高度な推論を担わせる分業が実現できる。

なぜ Claude Code が適しているのか

この種のアルゴリズム取引システムに Claude Code が適している理由は以下の点にある。

  1. 自然言語でロジックを記述できる — 「クジラが動いたら追従し、クジラより先に Exit する」というルールを自然言語で定義し、Claude がコードに変換・実行できる
  2. 状況判断の柔軟性 — 単純な if-else ではカバーできない文脈的な判断(市場のセンチメント、イベントの重要度など)を LLM が担える
  3. イテレーションの速さ — ロジックの変更を自然言語で指示するだけで bot の動作を調整できる

まとめ

項目数値
初期資金$200(約3万円)
最終資産$14,300(約200万円)
利益率約71倍
分析取引数8,600万件
スキャンウォレット数14,000以上
1日の取引回数10回

Claude Code を「コードを書くツール」としてだけでなく、自律的に判断・実行するエージェントの基盤として活用することで、このような実用的な成果が生まれている。Skills と MCP を組み合わせて Claude Code の能力を拡張することが、実践投入の鍵といえる。