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Claude Code × TradingView — MCPサーバーでチャートを「会話で動かす」時代へ

海外トレーダーコミュニティで爆発的に拡散している手法がある。Claude Code と TradingView を MCP(Model Context Protocol)サーバーで直接つなぎ、チャートを「手で操作する」から「会話で動かす」へ変えるアプローチだ。

本記事では、その仕組みと主要なオープンソース実装を解説する。

なぜ今「Claude Code × TradingView」が注目されるのか

TradingView はトレーダーが日常的に使う株価・指標チャートツールだ。これまでは人間がUIを開き、銘柄を手入力し、RSI や MACD を目視で確認してから判断を下していた。

MCP を介して Claude Code と接続すると、この操作が一変する。

操作の粒度が「GUI のクリック」から「自然言語の会話」へと抽象化される。

アーキテクチャの核心:Electron の CDP を逆用する

メインの実装は tradesdontlie/tradingview-mcp だ。

TradingView Desktop は Electron(Chromium ベース)で動いている。CDP(Chrome DevTools Protocol)は、Chromium ベースのアプリにデバッグ・操作用の WebSocket インターフェースを公開するプロトコルだ。Electron アプリは --remote-debugging-port フラグを付けて起動すると CDP が有効になり、外部プロセスがブラウザ内部を操作できるようになる。VS Code や Playwright がこのプロトコルを使ってブラウザ自動化・デバッグを実現しているのと同じ仕組みだ。

Claude Code → MCP Server → CDP → TradingView Desktop の接続フロー。すべてローカル完結でTradingViewサーバーへの外部接続なし

接続はすべてローカル完結。TradingView のサーバーには一切アクセスしない。依存ライブラリも @modelcontextprotocol/sdkchrome-remote-interface の2つだけで、Node.js 18+ があれば動く。

セットアップ手順

git clone https://github.com/tradesdontlie/tradingview-mcp.git
cd tradingview-mcp
npm install

Claude Code の MCP 設定ファイルに追記する(ユーザースコープは ~/.claude.json、プロジェクトスコープはリポジトリルートの .mcp.json)。tradesdontlie/tradingview-mcp の README では ~/.claude/.mcp.json と記載されているが、公式の正しいパスは以下のいずれかだ。

{
  "mcpServers": {
    "tradingview": {
      "command": "node",
      "args": ["/path/to/tradingview-mcp/src/server.js"]
    }
  }
}

TradingView Desktop を CDP モードで起動する(Mac の場合)。

/Applications/TradingView.app/Contents/MacOS/TradingView --remote-debugging-port=9222

リポジトリ付属のシェルスクリプト scripts/launch_tv_debug_mac.sh を使っても同じだ。

78個の MCP ツールで何ができるか

接続が確立すると、Claude Code から呼び出せるツールが78個に増える。主なカテゴリを紹介する。

データ取得

ツール内容
chart_get_stateシンボル・時間足・全インジケーター名 + ID を取得
data_get_study_valuesRSI / MACD / ボリンジャーバンド / EMA などのリアルタイム値
quote_get最新価格・OHLC・出来高
data_get_pine_linesPine Script の line.new() で描画されたカスタムラインデータ
capture_screenshotチャートのスクリーンショットを取得

チャート操作

ツール内容
chart_set_symbol表示銘柄を切り替える
chart_set_timeframe時間足を変更する
chart_set_typeチャート種類(ローソク足・バーなど)を変更する
draw_shapeライン・シェイプを描画する
alert_createアラートを作成する

Pine Script 開発支援

ツール内容
pine_set_sourcePine Script コードをチャートに注入する
pine_smart_compileコンパイルしてエラーを返す
pine_get_errorsコンパイルエラー一覧を取得する

「このインジケーターのロジックをコードにして」と Claude に依頼すると、Pine Script を書いてそのままチャートに反映するまでを一気に実行できる。

バッチ・リプレイ

ツール内容
batch_run複数銘柄を一括操作する
replay_start / replay_stepリプレイ練習を制御する

API ベースの別実装:atilaahmettaner/tradingview-mcp

TradingView Desktop に直接接続するのではなく、Yahoo Finance API + Reddit センチメント + RSS ニュースを組み合わせた研究・分析向けの実装も存在する。atilaahmettaner/tradingview-mcp が Python 製でこのアプローチを採用している。

pip install tradingview-mcp-server

30以上のツールを提供し、代表的なものは以下の通り。

Binance, KuCoin, Bybit, NASDAQ, NYSE など主要取引所に対応している。

自動売買への応用:BitGet 発注まで一気通貫

jackson-video-resources/claude-tradingview-mcp-trading は tradesdontlie の MCP をベースに、BitGet への自動発注まで実装している。

発注フローは次の5ステップだ。

  1. rules.json の戦略ルールを読み込む
  2. TradingView から価格・インジケーターデータを取得する
  3. 生ローソク足データから MACD を計算する
  4. 全エントリー条件を検証するセーフティチェックを通過する
  5. 全条件パスなら BitGet API で発注し、trades.csv に記録する

VPS 24時間運用(Hostinger など)と cron スケジューリングにも対応しており、完全自動のトレードシステムを OSS で構築できる。

注意点とリスク

技術的には非常に興味深いが、実運用前に把握しておくべきリスクがある。

TradingView 利用規約の問題

TradingView の利用規約は自動データ収集を禁じている。CDP 経由でのデータ取得がこれに抵触する可能性があり、アカウント BAN のリスクが存在する。自己責任での利用となる。

有料サブスクリプションが必須

Desktop 版の CDP 接続には TradingView の有料プランが必要だ。無料プランでは動作しない。

TradingView アップデートで壊れる可能性

内部の undocumented API を利用しているため、TradingView 側のアップデートでいつでも動作しなくなるリスクがある。

まとめ

MCP プロトコルを介した Claude Code × TradingView の接続は、「ツールを手で操作する」から「ツールを会話で動かす」への根本的な操作パラダイムシフトを体現している。

Pine Script の開発支援から朝のウォッチリストスキャン、さらには自動発注まで、オープンソースで揃ってきた実装群はトレーダーの開発コストを大幅に下げる可能性を持つ。一方で利用規約リスクと undocumented API 依存という現実的な制約も存在する。

Claude Code による自動取引の他の実践例として、Claude × BTC自動取引 — モンテカルロ法で1万通りのシナリオを検証日経225マイクロ先物 × Monte Carlo 自動売買判定も参照してほしい。

興味を持った方はまず tradesdontlie/tradingview-mcp の README を読み、ローカル環境で試してみるのが第一歩だ。



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