本文へスキップ
hdknr blog
戻る

moomoo × AI でセクターローテーションを察知する — 44のルールで構築した定量売買システム

セクターローテーションは、景気サイクルに合わせて資金が特定のセクターへ移動する現象だ。この動きを早期に察知できれば、相場の追い風を受けながら売買できる。しかし「どのセクターが今動いているか」を毎日人手で追うのは難しい。

ある個人投資家(@hm_emememem)は、moomooとAIを組み合わせてこの問題を解決し、44のルールで構成された定量的な売買システムへと発展させた。そのアプローチを紐解く。

moomoo でセクターを一覧監視する

moomoo(ムームー)は、香港上場のFintech企業 Futu Holdings(ナスダック: FUTU)が提供するグローバル投資プラットフォームだ。2023年9月に日本でサービスを開始し、2024年3月には日本株取引にも対応。2024年時点で日本国内のダウンロード数が100万件を超えている。

moomooには、セクター監視に役立つ機能が揃っている。

これらを使い、複数セクターを一覧にまとめたウォッチリストを構築することで、AIに毎日渡すデータセットの土台を作る。moomooのデータをさらにプログラムで活用したい場合は、moomoo OpenAPIを使った自動売買も参照してほしい。

AIを毎日のセクター監視役にする

構築したウォッチリストのデータを毎日AIに読み込ませ、以下を問いかける運用を行っている。

AIは過去データとの差分を解析し、「ようやく新しいカタリストが動き始めた」といった変化の兆候をテキストでフィードバックする。人間がチャートを目視確認するより、変化の記述が言語化されるため見落としが減る。

44のルールで売買を定量化する

AIとの対話を繰り返して投資ルールを精緻化した結果、最終的に44のルールを体系化し、それらを複合することで売買判断を定量的に行う仕組みを構築した。

ルールの例として考えられるのは次のような構造だ。

ルール例(概念的な構成 — 実際の44ルールの内容は非公開):

1. セクター強度スコア: 過去5日の相対リターンが上位3セクターに入る
2. 出来高確認: 20日平均の1.5倍以上の出来高を伴う
3. 主力株のブレイクアウト: セクター内主力銘柄が52週高値更新
4. マクロ環境チェック: 利上げ局面/利下げ局面に応じた対象セクター除外
5. リスク管理: 単一セクターへの集中を資産の20%以内に抑える
...(計44ルール)

これらを「AND条件」「OR条件」で組み合わせ、シグナルが複数の基準を満たしたときのみ発動する構造にすることで、フォールスポジティブ(誤検知)を減らしている。

行動トリガー: AIの指示に従って動く

システム構築後の運用方針として、「行動トリガー(定量基準)でAIの指示通りにしばらくやってみる」という姿勢が重要だ。

これは「感情を排除して機械的に実行する」というルール駆動投資の核心に近い。

フェーズ内容
監視moomooのデータをAIに毎日インプット
分析AIがセクター傾向・カタリストを言語化
シグナル44ルールのスコアリングで売買基準を満たすか判定
実行定量基準を満たした場合のみ売買を実行
検証パフォーマンスを記録してルールを継続改善

「今のところかなり機能している」という評価通り、定量基準による判断は人間の感情バイアスを排除する効果があり、一定の成績を上げている段階にある。

なぜこのアプローチが機能するのか

従来の個人投資家がセクターローテーションを追う場合、ニュースや経験に頼る部分が大きかった。このアプローチが新しいのは次の点だ。

  1. AIによる毎日の定点観測: 人間が見落とす微細な変化を拾い、言語化する
  2. 44ルールによる定量化: 「なんとなく強そう」という主観を排除し、基準を明文化
  3. moomooのデータ基盤: リアルタイムのヒートマップ・スクリーナーをAIのインプットとして活用

AIを「相談相手」ではなく「定常監視エージェント」として組み込む設計が、個人投資家でも再現しやすい形で体系化されている点が興味深い。セクターローテーションの具体的な流れ(AI電力テーマを例にした半導体→電力→蓄電池の連鎖)についてはAI電力テーマのセクターローテーションも参考になる。

まとめ

セクターローテーション察知を「AIへの定常タスク」として設計するこのアプローチは、個人投資家が本格的な定量投資へ踏み出すための一つの実践例として参考になる。


出典: @hm_emememem のXポスト(2026年5月26日)



前の記事
gh コマンドでトークン認証して非対話的にクローンする — CI/CD・使い捨てコンテナ向け認証パターン完全ガイド
次の記事
Flarum — コミュニティのために設計されたオープンソースフォーラムソフトウェア