はじめに
Claude Code は単体でも強力なツールだが、Ruflo と組み合わせると 100 以上のエージェントが並列で協調動作するスウォームに変貌する。
Ruflo(ルフロ)は、もともと Claude Flow という名前で知られていたオープンソースのエージェント・メタハーネスだ。現在の名称に改名されるとともに、Rust ベースの AI エンジンが追加された。主言語は TypeScript だが、メモリ・埋め込み・プラグインシステムには Rust が使われている。
- GitHub: ruvnet/ruflo
- スター: 61,000 以上(2026 年 6 月時点)
- フォーク: 7,100 以上
- ライセンス: MIT
Ruflo とは何か
Ruflo 自身の説明によると:
Agent = Model + Harness.
モデルがコードを書き、ハーネスはツール・メモリ・ループ・サンドボックス・制御を与えて実際に動かす。Ruflo がそのハーネスだ。
npx ruflo init の一行で Claude Code に「神経系」が加わる。エージェントはスウォームに自己組織化し、タスクから学習し、セッションをまたいで記憶を保持する。開発者はコードを書き続けるだけで、エージェント間の調整は Ruflo が担う。
インストール方法
Ruflo には 2 つのインストールパスがある。
パス A: Claude Code プラグイン(軽量版)
スラッシュコマンドとエージェント定義のみを追加する。MCP サーバーは登録されないため、memory_store や swarm_init などのツールは呼び出せない。まず試したい場合に適している。
/plugin marketplace add ruvnet/ruflo
/plugin install ruflo-core@ruflo
/plugin install ruflo-swarm@ruflo
/plugin install ruflo-rag-memory@ruflo
パス B: フル CLI インストール(推奨)
98 のエージェント、60 以上のコマンド、MCP サーバー、フック、デーモンを含む完全な Ruflo ループが有効になる。
# macOS / Linux / WSL
curl -fsSL https://cdn.jsdelivr.net/gh/ruvnet/ruflo@main/scripts/install.sh | bash
# 全プラットフォーム対応(Windows PowerShell 含む)
npx ruflo@latest init
Claude Code の MCP サーバーとして追加する場合:
claude mcp add ruflo -- npx ruflo@latest mcp start
主な機能
100 以上の専門エージェント
coder、tester、reviewer、architect、security など、役割に特化したエージェントが 100 以上用意されている。フルインストール時は 98 種類のエージェントが即座に使用可能で、随時追加されている。フックシステムがタスクを自動的に適切なエージェントにルーティングする。
スウォーム・コーディネーション
エージェント群は複数のトポロジーで協調動作する:
| トポロジー | 特徴 |
|---|---|
| 階層型 (Hierarchical) | Queen エージェントがトップダウンで指揮 |
| メッシュ (Mesh) | 全エージェントが相互に連携するフラット構造 |
| アダプティブ (Adaptive) | タスクに応じてトポロジーを動的に切り替え |
コンセンサスには Raft、Byzantine Fault Tolerance(BFT)、Gossip プロトコルを採用している。
自己学習メモリ
- AgentDB: HNSW(近似最近傍探索アルゴリズム)インデックスによるベクトルメモリ。データ件数が増えるほど全件探索(brute force)比で 1.9〜4.7 倍高速になり、recall@10 は約 0.99 を維持
- SONA: 成功パターンを学習するニューラルパターンシステム
- RAG 統合: ハイブリッド検索・グラフホップ・多様性ランキングによるスマート検索
タスクのたびに学習が積み重なり、ルーターの精度は 89% を達成するとされている。
エージェント・フェデレーション
異なるマシンやチームのエージェントが、ゼロトラストセキュリティで安全に連携できる。
- 認証: mTLS + ed25519 チャレンジ・レスポンス(API キーや共有シークレット不要)
- PII 保護: 14 種類の個人情報を検出し、アウトバウンド前に自動除去または匿名化
- 信頼スコアリング: 成功率・稼働率・脅威評価・整合性の 4 指標で継続評価
- コンプライアンス: HIPAA、SOC2、GDPR 対応の監査ログ
# フェデレーションの初期化と接続例
# ※ federation サブコマンドは npm パッケージ名 claude-flow のまま提供されている
npx claude-flow@latest federation init
npx claude-flow@latest federation join wss://team-b.example.com:8443
npx claude-flow@latest federation send --to team-b --type task-request \
--message "Analyze transaction patterns for account anomalies"
マルチモデル Web UI
ホスト型デモ flo.ruv.io では Claude、Qwen、Gemini、OpenAI を同じチャット画面から利用できる。約 210 の MCP ツールを並列で呼び出せる。自己ホスト可能な Docker イメージも提供されている。
Claude Code 単体との比較
| 機能 | Claude Code のみ | + Ruflo |
|---|---|---|
| エージェント協調 | 独立、文脈共有なし | 共有メモリ・コンセンサスによるスウォーム |
| メモリ | セッション内のみ | HNSW ベクトルメモリ(サブミリ秒検索) |
| 学習 | 静的 | SONA による自己学習 |
| タスクルーティング | 手動 | インテリジェント自動ルーティング(精度 89%) |
| バックグラウンドワーカー | なし | 12 の自動トリガーワーカー |
| LLM プロバイダー | Anthropic のみ | 5 プロバイダー(フェイルオーバー付き) |
プラグイン・エコシステム
Ruflo は 35 のプラグインを提供している。主なプラグインの一例:
| プラグイン | 機能 |
|---|---|
| ruflo-swarm | 複数エージェントのチーム協調 |
| ruflo-rag-memory | ハイブリッド検索・グラフホップ対応 RAG |
| ruflo-federation | 異マシン間のセキュアなエージェント連携 |
| ruflo-security-audit | 脆弱性・CVE スキャン |
| ruflo-testgen | テスト不足の検出と自動生成 |
| ruflo-intelligence | 過去の成功から学習する自己最適化 |
| ruflo-cost-tracker | トークン使用量の追跡とコストアラート |
技術スタック
主言語は TypeScript(コードベース全体の大部分)で、AI エンジン・メモリ・埋め込みシステムには Rust が使われている。WASM サンドボックス(rvagent)によるエージェントの安全な実行環境も提供する。フロントエンドは Svelte、コンテナは Docker で自己ホスト可能だ。
まとめ
Ruflo は Claude Code の使い方を変えない。npx ruflo init した後も、既存のワークフローをそのままに、100 以上のエージェントが裏で動き始める。メモリ、自己学習、異マシン間フェデレーション——これらがすべて既存のワークフローに自動で組み込まれる。
まず Claude Code プラグイン版で試し、本番利用が見えたら CLI フルインストールに切り替えるのが現実的な導入ステップだろう。
- GitHub リポジトリ (ruvnet/ruflo) — ソースコード・ドキュメント・プラグイン一覧
- Web UI Beta (flo.ruv.io) — アカウント不要で試せるマルチモデルチャット
- Goal Planner (goal.ruv.io) — 自然言語のゴールをエージェントプランに分解