概要
ECC(Everything Claude Code、affaan-m/ECC)は Claude Code 向けのスキル・エージェント・フック・MCP・ワークフローを網羅した MIT ライセンスの総合コレクション。「エージェントハーネスのオペレーティングシステム」を標榜し、245K 超のスターを獲得(v2.2.0、2026年9月時点)。Claude Code・Codex・Cursor・OpenCode・Gemini・Zed のほか、Qwen・Kimi・CodeBuddy など 10 種類以上のハーネスに対応する。
リポジトリは
affaan-m/everything-claude-codeからaffaan-m/ECCに改称済み(旧 URL はリダイレクトする)。npm パッケージ名はecc-universalのまま据え置かれている。
詳細
主要コンポーネント
| 種別 | v2.0.0(2026-06) | v2.2.0(2026-09) |
|---|---|---|
| エージェント | 67 | 68 |
| スキル | 271 | 286 |
| コマンド | 92 | 94(legacy command shims) |
- エージェント(68種):
planner/architect/code-reviewer/security-reviewer/tdd-guide/loop-operatorなど専門タスク委譲用のサブエージェント。内訳は*-reviewer23 体、*-build-resolver12 体ほか - スキル(286種): backend/frontend patterns、tdd-workflow、security-review、autonomous-loops、mle-workflow、django-patterns など
- コマンド(94種): 新機能ではなく、従来の
/コマンド呼び出しとの互換レイヤー(legacy command shims) - フック: ツールイベントに反応する自動化。
ECC_HOOK_PROFILE(minimal/standard/strict)で強度を制御 - ルール(22パック):
~/.claude/rules/ecc/の常時適用ガイドライン(言語別)。プラグイン経由では配布されず手動コピーが必要 - MCP 設定: GitHub・Supabase・Vercel・Railway 等のサーバー設定
役割を frontmatter で強制する設計
ECC の特徴は数の多さより、agents/*.md の frontmatter で各エージェントを縛っている点にある。
tools — できることの上限
| 区分 | 体数 | 該当 |
|---|---|---|
| 完全密閉(Write / Edit / Bash なし) | 13 | planner、architect など判断だけを返す役 |
| Write / Edit なし、Bash あり | 27 | *-reviewer 23 体中 21 体 |
| 書き込み可(Write / Edit あり) | 28 | *-build-resolver 12 体は例外なく全てここ |
planner と architect は tools: Read, Grep, Glob のみで、実装する手段自体を渡されていない。一方レビュー役の多くは(テスト実行のため)Bash を持つので、権限の壁は計画フェーズほど堅くない。計画は物理的な制約、レビューは意図の表明という二段構えになっている。
model — かけるコストの割り当て
68 体すべてが model: を明示する。opus 4 体(architect / planner / spec-miner / healthcare-reviewer)、sonnet 58 体、haiku 6 体(docs-lookup / doc-updater など機械的な役)。opus の 4 体のうち 2 体は上記の「完全密閉」側に属する。
Prompt Defense Baseline — 信頼境界
68 体中 67 体が同一のプロンプトインジェクション防御前文を本文冒頭に持つ。役割・人格の変更を拒否する、秘密情報を出力しない、外部から取得したデータを信頼しない、不可視文字や同形異字を疑う、といった内容。サブエージェント 1 体 1 体を独立した信頼境界として扱う設計思想の表れ。
コンテキスト予算
286 スキルの本文は合計約 257 万文字にのぼるが、progressive disclosure により常時ロードされるのは frontmatter の name + description だけ。それでも 286 スキル分で約 7.8 万文字(1トークン≒4文字換算で約 2 万トークン相当)、エージェント 68 体分と合わせて 2 万数千トークンが作業開始前から占有される。
作者自身が「286 スキルを一気に全部入れるのが、いちばん早く悪化する方法」と警告しており、minimal プロファイルの説明文も Low-context Claude Code setup と明記されている。インストールプロファイルは minimal / core / developer / security / research / full がモジュール単位で定義されている。
継続学習(instinct システム)
continuous-learning-v2 はセッションから学んだパターンを「インスティンクト(instinct)」として保存し将来のセッションで再利用する。/instinct-status /instinct-import /instinct-export /evolve で管理する。
AgentShield — セキュリティ監査
Claude Code の設定(CLAUDE.md / settings.json / MCP / フック / エージェント定義)に潜む脆弱性を検出する。npx ecc-agentshield scan(インストール不要)、--fix で自動修正、--opus で攻撃者・防御者・監査者の3エージェントによる深掘り分析(1282テスト・102ルールの静的解析)。
インストール
# npm 経由(Node.js 18 以上)
npx ecc-universal setup
# プロファイルを絞る
npx ecc-universal install --profile minimal --target claude
# 導入後の点検
npx ecc-universal doctor
npx ecc-universal list-installed
Claude Code のプラグインとして入れる場合:
/plugin marketplace add https://github.com/affaan-m/ECC
/plugin install ecc@ecc
プラグイン経由と手動インストールの重複は動作の二重化を招くので避ける。
関連ページ
- Claude Code — ECC が拡張する対象環境
- ハーネスエンジニアリング — ECC が体現するハーネス設計の思想
- Claude Code Hooks — フックの仕組み
- 自律改善システムの設計 — autonomous-loops スキルと関連
- プロンプトインジェクション — Prompt Defense Baseline が防ごうとしているもの
- Context Rot(コンテキスト劣化) — スキルを入れすぎると起きること
ソース記事
- サブエージェントの役割は tools で縛る — ECC の68体を数えて見えた設計と抜け穴 — 2026-09-01(v2.2.0 時点の権限設計の集計)
- ECC(Everything Claude Code)— 220K スターの Claude Code 最強エコシステムガイド — 2026-06-24(v2.0.0 時点のカタログ全体像)
- ECC の instinct システム詳解 — 2026-04-26