概要
料理の物撮りは静物撮影の一種でありながら、照明・アングル・スタイリングのどれか一つを外すと途端に「不味そう」になるシビアなジャンル。仕上がりを分けるのは機材のグレードより、「光の向き」「面光源の大きさ」「アングル」の3原理を理解して現場で応用できるか。アングルは大きく「斜め(45度前後)」と「真俯瞰(真上)」に分かれ、それぞれ光の設計思想が変わる。
詳細
ケース1: 斜めアングル × LED 定常光2灯
一皿料理を美味しそうに撮る王道。立体感・照り・湯気を表現しやすい。光は2灯で役割を分ける。
- メインライト(トップライト): 料理の真上から。T字型スタンドに固定し全体を素直に照らす基準の光
- サブライト(後方サイド・半逆光): 後ろ斜めから当て、立体感・照り・湯気を浮かび上がらせる決め手。湯気は正面光ではほぼ写らず、後方からの光でこそ写り込む
作例 Exif の目安: SONY α7RII / f5.6 / ISO100・1/30sec / LED 定常光2灯。定常光でも十分な明るさが得られる。
定常光(LED)を選ぶ理由: 光の硬さ・柔らかさは「ストロボか定常光か」ではなく光源の見かけの大きさとディフューズで決まる(裸のストロボも裸の LED も同じく硬い)。定常光の本質的なメリットは 見たままが撮れること。狭い店内でライトを手持ちで動かし最適位置を探る場面で即応性が効く。
狭い現場での立ち回り: 2灯目は手持ち運用/片手でライト操作したままシャッターを切れるよう赤外リモコンなどのレリーズを常備/湯気を写すなら店主に頼んで出来立てをもう一皿。
ケース2: 真俯瞰は「大きな面光源」が命
複数皿のセットメニューで多用。説明的でレイアウトを組みやすいが2つの壁がある。
- 壁1: 照らす面積が広い — セットは A3 超に皿が広がり1灯ではムラが出る。大きな面光源が必要(作例は 50cm ソフトボックスを T字棒で2連に横連結)。面光源は大きいほど光が柔らかく影のエッジがなだらかで均一に照らせる
- 壁2: カメラの固定が難しい — 料理を床に置けないため、テーブルのさらに上から構える固定場所が限られる
真俯瞰は「美味しさ」と相性が悪い: デザイン性・説明性を優先するアングルで、シズル感(美味しさ)とはトレードオフ。ビビンバ丼などは少し角度をつけた方が美味しそうに写る。クライアントの狙い(整然と見せたい/一皿を美味しそうに)でアングルを使い分ける。
まとめ:ライティング5原則
- アングルで設計を変える(斜め45度=美味しさ、真俯瞰=説明性)
- 半逆光で立体感と湯気を出す(メイン=真上、サブ=後方サイド)
- 定常光(LED)は見たまま撮れて微調整に強い
- 広い被写体ほど面光源を大きく(ソフトボックス連結など)
- 現場の制約を前提に段取りする(カメラ固定・手持ち照明・リモコン・出来立て再調理)
関連ページ
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ソース記事
- 料理写真のライティング実践ガイド — 面光源と定常光で「美味しそう」に撮る — 2026-07-03