リトアニア出身の個人開発者Erikas Malisauskas氏が、時給2ドルのWeb代理店勤務からわずか1年でShopifyアプリの月次収益を10倍に成長させた事例が注目を集めています。

「ウマたん(上野佑馬)」氏(@statistics1012)がX (Twitter) でまとめた内容によると、Erikas氏は「Kaching」ブランドでShopifyアプリを複数展開し、利益率90%超えの事業を構築したとされます。

Starter Storyのインタビュー等でもErikas氏の実績が紹介されており、本記事ではその方法論を3つの戦略として解説します。

時給2ドルから始めたErikasの個人開発キャリア

Erikas氏はリトアニア出身のUI/UXデザイナー。時給2ドルのWeb代理店に勤務した後、フリーランスへ転身し、最終的にShopifyアプリ開発に活路を見出しました。

2022年8月にKaching Bundles App & Upsellsをローンチし、4,000件以上のレビューと評価5.0を獲得するアプリに育て上げています(Shopify App Store調べ)。

月収を10倍に成長させた3つの戦略

戦略1: SNSで需要を事前検証する「デザイン投稿法」

ErikasはFacebookグループやDiscordコミュニティに、まだ開発していないアプリのデザイン案を投稿することで需要を事前検証しました。

この手法のポイントは次の通りです。

  • 開発コストをかける前に市場の反応を確認できる
  • コミュニティからのフィードバックで機能の優先順位を決定できる
  • 潜在的なユーザーとの関係構築にもなる

プロダクトを作ってから売るのではなく、売れるかどうかを確認してから作るという逆転の発想です。

戦略2: Win-Winの収益設計で差別化した「Kaching」

Erikas氏がローンチしたShopifyアプリ「Kaching」は、バンドル販売(セット販売)に特化したアプリです。

開発当初のコンセプトは**「ユーザーがより多く稼ぐときにのみ、自分たちもより多く稼ぐ」**という売上連動型の設計思想。EC事業者と利益を共有する仕組みがユーザーからの信頼を獲得しました(なお、2026年現在の価格プランは月額固定制に移行しています)。

このWin-Win設計によってアプリの継続利用と口コミによる拡散が促進されました。

戦略3: 「Kaching」ブランドで複数アプリを展開・利益率90%超えを維持

最初の成功を軸に、Erikas氏はKachingブランドの下に複数のShopifyアプリを展開しました(当初4つ、その後さらに拡大)。

指標数値
展開アプリ数6つ(Kachingブランド、2026年時点)
利益率90%超え(本人発言)
年間収益$4.3M(約6.4億円、2024年実績 / Starter Story調べ)

SaaSのビジネスモデルは一度構築すれば限界費用がほぼゼロになるため、スケールするほど利益率が向上します。

「新しいアイデア」より「既存競合への勝ち方」を問う哲学

Erikas氏のアプローチで特に注目すべき考え方があります。

「新しいアイデアを探す」よりも「既存競合にどう勝つか」を問うことが重要

多くの起業家が「まだ誰もやっていないアイデア」を探す中、Erikas氏は既存市場でどう差別化して勝つかに集中しました。

この考え方のメリットは次の通りです。

  • 市場の存在が既に証明されている(需要リスクが低い)
  • 競合のユーザーベースを参考にできる
  • 「なぜ既存サービスでは不満か」という具体的な課題から出発できる

狙う市場を少し変えるだけで、収益が桁違いになるという事例です。

まとめ

Erikas氏の成功から学べる教訓をまとめると次のようになります。

戦略ポイント
事前検証SNSでデザイン案を投稿し、需要確認してから開発
Win-Win設計ユーザーと利益を共有する価格設計で信頼を獲得
ブランド展開成功したブランドを軸に複数アプリを展開
哲学新アイデアより既存競合への勝ち方を考える

時給2ドルという出発点から、利益率90%超えのSaaS事業を構築したErikas氏の事例は、市場の選び方と価格設計の哲学が収益の桁を変えることを示しています。

Shopifyエコシステムはまだ多くのチャンスが眠っているかもしれません。