概要
SSBJ基準は、日本におけるサステナビリティ情報開示のルールで、4本の基準で構成される。ISSB 基準(IFRS S1/S2)に対応する日本版という位置づけで、有価証券報告書での開示が対象になる。
- 適用基準 — どの企業がいつから適用するか
- 一般開示基準 — サステナビリティ全般の開示要求
- 気候関連開示基準 — 気候に特化した開示要求
- 実務対応基準第1号 — GHG 排出量算定の実務上の取り扱い
適用時期 — 2027年3月期から段階適用
義務化は一斉ではなく段階的に進む。第一陣は5年平均時価総額3兆円以上の東証プライム上場企業で、2027年3月期から適用される。
| 対象 | 時期 | 社数・時価総額カバレッジ |
|---|---|---|
| 3兆円以上 | 2027年3月期 | 68社・54.1% |
| 1兆円以上 | — | 171社・72.5% |
| 5,000億円以上 | 2029年3月期が基本方針(改正府令には未織り込み) | 284社・80.8% |
第一陣は 68 社にすぎないが、時価総額では市場の半分を超える。保証(第三者による保証)については別途整備が進む。
SSBJ 基準の直接の対象外であっても、関連する開示制度の改正によって間接的に影響を受ける企業がある点には注意が要る。
なお本体3基準は 2026年3月13日に ISSB の IFRS S2 号修正を受けた改正版が出ている。古い PDF を読んでいないか確認する。実務対応基準第1号は 2026年6月公表。
一般基準と気候基準は「同一文言の置き換え」
実務上の読み方のコツとして、一般開示基準と気候関連開示基準は多くの条文が同一の文言で、対象範囲だけを置き換えた構造になっている。両者を別々に読むのではなく差分を取ると、気候固有の要求がどこかが浮かび上がる。
検索システム ASSET-SSBJ にはコンテンツ別の表示機能があり、この差分読解に使える。また、TCFD 提言との差異は各基準の「結論の背景」に記載されており、既存の TCFD 開示から移行する場合はここが実質的な移行ガイドになる。横断的なルールは「基本となる事項」に集約されている。
工数の山は「指標及び目標」
開示分量が最も膨らむのは指標及び目標のセクションで、スコープ3と別紙B・別紙Cが工数の中心になる。
GHG 排出量については、温対法の SHK 制度で既に算定している数字をそのまま流用できるかが実務上の論点になる。SHK 制度と GHG プロトコルは設計思想が異なる(SHK は国内限定・事業者単位・列挙主義)ため単純な流用はできず、実務対応基準第1号がその取り扱いを定めている。
決着の内容は、SHK 制度の基礎排出量を基礎とし、追加調整せずにスコープ1/2 に含めるという形。データ収集の設計に入る前に、「基本となる事項」の報告のタイミングと比較情報の規定を読んでおく。
関連ページ
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ソース記事
- SSBJ基準はいつから義務化されるのか — 4基準の構造と2027年3月期からの段階適用 — 2026-07-29