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SORACOM IoT ストアの取扱製品を「ソリューション」で分類する — デバイスカタログを課題解決の地図に変える

SORACOM IoT ストアには、GPS トラッカーからクラウドカメラ、LTE-M ボタン、各種センサーまで、多彩な IoT デバイスが並んでいる。ただ、ストアの陳列は「GPS トラッカー」「センサー内蔵デバイス」といった デバイス種別 で整理されているため、「自分の課題に合うのはどれか」を見つけるには、頭の中でソリューション軸に読み替える手間がかかる。

この記事では、ストアの製品ラインナップを デバイス種別ではなく「どんな課題を解くか」というソリューション軸 で分類し直す。IoT の導入を検討している人が「まず何から見ればいいか」を掴むための地図として使ってほしい。

全体像 — 3つのレイヤで捉える

SORACOM のデバイス群は、役割で見ると大きく3つのレイヤに分けられる。

SORACOM IoT ストアの製品を接続レイヤ・収集レイヤ・導入拡張レイヤの3層に分類し、上位に物流・店舗・インフラ保守・見守り・農業といった業種別ユースケースを配置したソリューションマップの図

この3層を「業種別ユースケース」が束ねる、という構造だ。以下ではまず収集レイヤの5つのソリューションを軸に何が解けるのかを見ていき、その後で土台となる接続レイヤと導入・拡張レイヤを扱う。

ソリューション別分類

ソリューション領域解決する課題該当する主な製品
① 位置測位・トラッキング人・モノ・車両の位置把握、動態管理、盗難対策、見守りGPS トラッカー(ビーコン対応 GW/BLE ゲートウェイ兼用)、GPS マルチユニット SORACOM Edition
② 環境モニタリング温度・湿度・CO₂・空気質の遠隔計測、コールドチェーン、換気管理LTE-M CO2 センサー、温湿度センサー内蔵デバイス、各種環境センサーデバイス
③ 遠隔監視・映像常時録画、遠隔からの映像確認、AI 画像解析クラウドカメラサービス「ソラカメ」、エッジ AI カメラ(12MP・GPS/センサー搭載 Android デバイス)
④ ワンタッチ通知ボタン一つで発注・呼び出し・報告・アラート送信LTE-M Button for Enterprise、LTE-M Button Plus(接点端子付き)
⑤ 設備監視・予知保全開閉・振動・磁気・照度の検知、稼働監視、異常検知開閉/振動/磁気/照度センサー内蔵 IoT デバイス群
⑥ 通信インフラ・接続基盤モバイル回線接続、既存機器のネット化、組込み通信IoT SIM、iSIM、IoT ゲートウェイ・ルーター、USB 型通信デバイス、通信モジュール、アンテナ
⑦ プロトタイピング・開発・学習PoC・自作開発、技術習得Wio BG770A(LTE-M/NB-IoT 開発ボード)、Raspberry Pi/Arduino 関連ボード、IoT 学習書籍
⑧ パッケージソリューションすぐ導入を始めたい/統合済み構成IoT パッケージソリューション(スターターキット等)

① 位置測位・トラッキング

「モノや人が今どこにいるか」を可視化する領域。GPS トラッカーは防水・防塵・耐衝撃筐体とバッテリーを備え、LTE-M でクラウドに位置を送る。ビーコン対応の機種は GPS 測位と BLE ゲートウェイの2役 をこなし、屋内は BLE ビーコン、屋外は GPS といった使い分けもできる。GPS マルチユニットは位置に加えて温度・湿度・加速度なども取れるオールインワン型だ。

② 環境モニタリング

温度・湿度・CO₂ などを定点計測する領域。LTE-M CO2 センサーは CO₂ 濃度・温度・湿度をまとめて計測でき、オフィスや店舗の換気管理に向く。冷蔵・冷凍の温度逸脱を検知する コールドチェーン監視 も、この領域の代表的なユースケースだ。

③ 遠隔監視・映像

映像で現場を押さえる領域。クラウドカメラ「ソラカメ」は、クラウドに常時録画できるカメラサービスで、防犯・見守り・現場監視に使える。加えて、12MP カメラと GPS・各種センサーを備えた Android ベースのデバイスは、エッジ側で画像解析 を走らせる AI カメラとしても機能する。

④ ワンタッチ通知

「押すだけ」でアクションを起こす領域。LTE-M ボタン(LTE-M Button)は Wi-Fi 設定なしで単体でクラウドに接続でき、発注・呼び出し・報告・アラート送信をボタン1つに割り当てられる。接点端子付きの Button Plus は、既存設備の接点信号をトリガーにできるので、機械の稼働・停止の通知などにも応用できる。

⑤ 設備監視・予知保全

設備の状態を継続監視する領域。開閉・振動・磁気・照度といったセンサーを内蔵した IoT デバイスを設備に取り付け、扉の開閉検知やモーターの振動異常検知などに使う。しきい値を超えたら通知、という予知保全の入り口として導入しやすい。

レイヤの土台と拡張

ここまでは①〜⑤の収集レイヤを見てきた。ここからは、それらを支える接続レイヤ(⑥)と、プロジェクトの立ち上げを助ける導入・拡張レイヤ(⑦⑧)を扱う。

⑥ 接続レイヤ — すべての前提

上記①〜⑤のどのデバイスも、単体では価値を生まない。SIM・通信モジュール・ルーターでクラウドにつながって初めて データが活きる。SORACOM の強みは、この接続レイヤをサービスとして一気通貫で提供している点にある。組込み向けの通信モジュールや iSIM、既存の有線機器をモバイル回線でネット化するルーター、PC に挿すだけの USB 型通信デバイスまで揃う。

⑦⑧ 導入・拡張レイヤ — 立ち上げを支える

いきなり本番機を選ぶのが難しい場合は、Wio BG770A(LTE-M/NB-IoT 対応開発ボード)や Raspberry Pi/Arduino 関連ボードで PoC を組んでから本番デバイスへ という流れが取れる。統合済みの構成が欲しければパッケージソリューション、知識面はレシピや学習書籍が支える。

開発ボードの選定そのものに迷う場合は、IoT 開発ボードの使い分け完全比較ESP32 が「最強」と呼ばれる理由も参考になる。

業種別の組み合わせ例

ソリューションは単独ではなく、業種の課題に応じて組み合わせて使うのが実際のところだ。

まとめ

SORACOM IoT ストアの製品は、デバイス種別で並んでいるが、「接続 → 収集 → 導入拡張」の3レイヤ5つの収集ソリューション(位置/環境/映像/操作/設備) で捉え直すと、自分の課題からデバイスを逆引きしやすくなる。

この順で見ていけば、カタログの多さに圧倒されずに IoT の第一歩を踏み出せるはずだ。

製品ラインナップや仕様は変更される場合があるため、導入前に必ず公式ストアで最新情報を確認してほしい。



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